耳で聴く文学談義

 夜のNHKラジオの番組で、「作家・町田康のパンクな文学論2~古典はこう読め~」を放送していた。町田康トーク番組で司会を渡邊あゆみ、ゲストに古川日出男戌井昭人大塚ひかりが出演。

 今夜は「平家物語」、江戸時代の「東海道中膝栗毛」などをめぐり朗読と出演者各氏による読み解きなどが語られる。耳で聴く文学談義を楽しめた。

https://www4.nhk.or.jp/P5072/#

二つの対談

 台風一過、まだまだ猛暑がつづく。

 「望星」9月号の対談「にっぽん そぞろ歩き」が、「食の風景、喜怒哀楽」と題して池内紀川本三郎の対談が三ヶ月ぶりに掲載されています。

 立ち読みコーナーで冒頭の一部が読めます。 

http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/pdf/1909_ren1.pdf

 漫遊放談「シゲモリ翁とゆく」も対談ですが、これも立ち読みコーナーで一部が読めます。

http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/pdf/1909_ren2.pdf

 

ドロンちび丸

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朝、小雨が降る。気温が下がって最高気温28℃。

ハクモクレン(白木蓮)のつぼみを見かけた。

戸川純著『ピーポー&メー』に杉浦茂マンガの解説が収録されていた。

杉浦茂ワンダーランド」の「ドロンちび丸」の解説。

 

戸川純エッセー集 ピーポー&メー (ele-king books)

戸川純エッセー集 ピーポー&メー (ele-king books)

 

 

「ユリイカ」から

 晴れる。最高気温35℃、最低気温27℃。熱帯夜で猛暑日がつづく。

 「ユリイカ」2019年8月号を手にとってみると、特集=京マチ子でした。

 「京マチ子 肉体の輝き」(川本三郎)、「女の脆さも靭さも」(中野翠

 対談
 「京マチ子と日本の女優――戦後日本の肉体」(北村匡平×長谷正人)

 「女優と踊子――京マチ子淡島千景をめぐって」(志村三代子)などなど興味深いエッセイ、対談が掲載されています。

www.seidosha.co.jp

カツベン!

 先日、夏休み活弁シアター2019で、1933年(昭和8年)松竹キネマ(蒲田撮影所)の作品で、五所平之助監督の映画「伊豆の踊子」を活動弁士佐々木亜希子さんの活弁で観た。

 無声映画鑑賞会の発行する季刊夏「活狂」(カツキチ) No177。

 周防正行監督最新作「カツベン!」のチラシなどが観客に配られた。

 「カツベン!」は、2019年12月に公開予定作品。 

 今からおよそ100年前、映画(活動写真)がまだサイレントでモノクロだった頃を舞台にした活動弁士を夢見る青年を主人公にした物語。

 成田凌黒島結菜高良健吾井上真央音尾琢真竹野内豊竹中直人渡辺えり小日向文世が出演。

 参照:「カツベン!」http://www.katsuben.jp/

五所平之助監督の映画「伊豆の踊子」

 夏休み活弁シアター2019

 昭和のはじめ頃の映画には音がありませんでした。

 日本では、話芸の伝統を受け継ぎ、巧みな語り口で映画を説明する「活弁」が発達し、活動弁士は映画館のスターとして人気を集めました。

 弁士の語りによって、映画は新たな輝きを放ちます。

 この機会に、ぜひ「活弁」をご堪能ください。 

 数多く映画化された名作『伊豆の踊子』の記念すべき第1作をライブ・エンターテイメント「活弁」でご体験ください。(パンフレットより)

 上映前に、活動弁士佐々木亜希子さんの「夏休み活弁ワークショップ」に参加した子どもたちの成果発表の上映会があった。

 子どもたちの活弁で上映されたのは、

 村田安司の漫画映画「海の水はなぜからい」(1935年)

 鈴木宏昌の漫画映画「日の丸太郎 武者修行」(1936年)

 アメリカのマック・セネット・プロダクションのLizzies of the Field(1924年)。

 

 後半、5分間の休憩あり。映像文化ライブラリーの学芸員の解説の後、佐々木亜希子さんの活弁で上映。館内は満席で立ち見がでる。

 五所平之助監督の映画「伊豆の踊子」(1933年、松竹キネマ、93分、白黒、無声、16ミリ)を観る。

 出演は、田中絹代、大日方伝、小林十九二、河村黎吉。

 川端康成の同名小説の初の映画化。小津安二郎監督とともに、松竹蒲田撮影所のホープとして活躍し、叙情的な作風を得意とした五所平之助監督の代表作。旅の踊子と学生の淡い恋を詩情豊かに描く。

 下田港での別れのシーンまで活弁の声音(こわね)に引き込まれる。

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8月新刊案内

 岩波書店8月新刊案内のパンフレットを書店で頂いた。

 これを読むと、来月(8月)、「岩波新書ラシックス限定復刊」として、一九五一年に刊行された林三郎著『太平洋戦争陸戦概史』という新書が復刊されるようです。

 イタリア書房の本で、田之倉稔著『林達夫・回想のイタリア旅行』があります。

 イタリアのヴェネツィアのトルチェッロ島のレストランで、林達夫と食卓をかこみながらの雑談で、弟の林三郎氏をめぐる話が出て、田之倉稔さんのそれをめぐる文が印象的だったのですが、8月の新刊(限定復刊)は、この本に注目しましょう。

 

太平洋戦争陸戦概史 (岩波新書)

太平洋戦争陸戦概史 (岩波新書)