鼎談集

 1978年~1980年に雑誌「話の特集」に掲載された対談を収録した本、金井美恵子・金井久美子著『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』を読んだ。
 ゲストに、蓮實重彦武田百合子西江雅之大岡昇平山田宏一、フィリス・バンバウム、篠山紀信巖谷國士平岡正明の各氏が登場して語っている。
 本の装幀は金井久美子さん。
 巻末に、金井姉妹の対談があり、ゲストをめぐる回顧談とエピソードが面白かった。シュールレアリスムをめぐる久美子さんの談話など興味深かった。

 参照:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784120054860

 

 

うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな

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 晴れ上がって暖かく、最高気温13℃。梅のつぼみがふくらみ始めている。咲いた白梅に鼻を近づけると、ほんのりとした良い香りが漂って来た。

 

 与謝蕪村の句に、「うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな

 

 「波」2月号の新刊案内に、津野海太郎著『かれが最後に書いた本』という三月新刊予定の本があった。気になる本である。

 

 

 

小冊子「新書は独学の友」

 先日、書店で「新書は独学の友」という赤い表紙の小冊子を入手しました。非売品です。

 巻末に95冊の既刊新書のリストがあります。

 表紙に次のように書かれています。

 

 創刊5周年フェア副読本

 独学に役立つ

 インターナショナル新書の情報を

 ご紹介します。

 

 ページをめくると、インターナショナル新書編集長の土屋ゆふさんの「ご挨拶」があり、一部引用すると、

 《最たるものが新型コロナウイルスの感染でしょう。世界中の人々の生活を一変させてしまいました。いまだ「出口」を模索する状態が続いています。

 そのような中で注目しているのが、「独学」への関心の高まりです。ひとりひとりが興味をもったテーマを、独自に学び、理解を深めていく姿勢。コロナに他のさまざまな要素がからみ、混迷と閉塞の度合いを深めていく世の中への、これこそがカウンターとなるのではないかと考えます。

 そこで、「新書は独学の友」をテーマに創刊5周年のフェアを開催することになりました。》

 

水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉

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 朝の最低気温が氷点下を記録する。日の出が7時頃で、最高気温10℃。曇りのちに晴れた。川面(かわも)に渡り鳥の群れがとどまって餌を探していた。ヒドリガモの群れである。西風の寒風の吹くなかで、静かにゆっくりと水面を滑るように動き回っていた。ヒドリガモは餌を探して水中に逆立ちをしている。水中にある岩のコケをつついているようだ。

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 「水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉」

 与謝蕪村の俳句で、安永6年(1777年)の句です。

 

 新潮社のPR誌「波」2月号の「新刊案内」で、パオロ・コニェッティの『フォンターネ 山小屋の生活』という本に注目しました。翻訳が関口英子さんです。

 《30歳になった僕は何もかもが枯渇してしまい、アルプスに籠った。世界的ベストセラー『帰れない山』の著者が、創作の原点となった山小屋での生活と大自然の美を綴った思索的記録。都市の生活を見直す、21世紀版『森の生活』。》

 

 

 

「白水社の本棚」より

 20日の二十四節気のひとつ大寒が過ぎても寒さの厳しい日がつづく。

 冬空の晴れ間にハクモクレン(白木蓮)の木がネズミ色のつぼみをつけていました。ビロードのような手触りの毛に花芽はつつまれています。

 触るとまだ硬いですね。

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 白水社のPR誌「白水社の本棚」2022年冬号が届いた。

 「愛書狂」(岡崎武志)、「いくたびも同じ書物を」(四方田犬彦)を読む。

 「愛書狂」は、新刊の『すごいトシヨリ散歩』の著者のひとり池内紀さんへの追悼回顧の文でした。『すごいトシヨリ散歩』は池内さんと親交が深かった川本三郎さんとの対談集です。

 

 

 

 

マスク同志向かひ合せてまじまじ

 朝、0℃近くまで冷え込んだ。雪混じりの風が吹き、最高気温は7℃。午後から青空が広がり、山茶花サザンカ)の木が満開で見ごろを迎えていた。近くに寄り花やつぼみを観察する。葉はつやがあり、葉っぱの縁にギザギザがある。

 ツバキ科の常緑小高木。九州・四国の山地に自生。葉は楕円形で両端がとがる。晩秋のころ白い花をつけ、散るときは花びらがばらばらに落ちる。種子から油をとり、材で器物を作る。園芸・観賞用としても栽培され、赤花・八重咲きなどの品種がある。  『大辞泉

 

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 「マスク同志向かひ合せてまじまじ」
 「マスクして残れるものの引眉毛」

 中村汀女の俳句で、昭和8年(1933年)の句です。