グランマ・モーゼス展

 「グランマ・モーゼス展」を観に出かける。アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは70代で本格的に絵を描き始め、80歳の時にニューヨークで初個展を開いた。最初期から101歳で亡くなるまでに描いた作品から日本初公開を含む約130点の作品が公開される。
 手作りの人形や刺繍絵や家族写真、モーゼスの愛用の筆、使用した油絵具なども展示中。多くの作品は木の板に描かれている。雑誌の写真を模写した絵があるのだが、並べられた模写絵と写真の比較が興味深かった。会場では写真撮影は禁止となっている。農場での人々の日々の労働、季節ごとの行事、春、夏、秋、冬と季節の変化がていねいに描かれている。冬の季節の農場を描いた絵の雪景色がいいですね。
https://www.grandma-moses.jp/

https://www.youtube.com/watch?v=FGhBK5cyWvA

参照:https://www.youtube.com/watch?v=IwgdtR-7yd8

「波」4月号の表紙

 新潮社のPR誌「波」4月号の表紙の写真が本を読んでいる津野海太郎さんの写真であった。背景にあるのが本棚である。背表紙が並んでいる。表紙に、

 みんな

   好きに

     生きて

   津野海太郎

 

 という、津野さんの筆跡がある。

 背景の本棚の本は津野さんの蔵書ではなかろうか。一冊一冊が写真で見るとかすかに書名や著者名が見分けられそうだ。

 右側の本棚から見分けられた書名と著者名を記してみよう。

 

長谷川四郎 「山猫の遺書」

      「長谷川四郎集」

      「鶴 シベリア物語」

      「文学的回想」

花田清輝  「乱世今昔談」

      「もう一つの修羅」

関根弘   「針の穴とラクダの夢」

山田稔   「リサ伯母さん」

      「生命の酒樽」

      「日本の小説を読む」

高見順   「昭和文学盛衰史」

井伏鱒二  「荻窪風土記

木下順二  「無用文字」

      「議論しのこしたこと」

安岡章太郎 「言葉のなかの旅」

      「大世紀末サーカス」

後藤明生  「吉野太夫

波 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

 

ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展

 

 全国各地を巡回している「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展」を観に行きました。アメリカの中西部ミネソタ州ミネアポリス美術館の所蔵する日本絵画のコレクションより選ばれた作品の展覧会です。写真撮影がOKでした。以下の写真は、画壇の革新者たちから曾我蕭白の「群鶴図屏風」、伊藤若冲の「叭々鳥図」(ははちょうず)、松井慶仲の「虎図」。伝・俵屋宗達の「虎図」もありましたね。山口県立美術館の常設展の方も拝観しました。美術館周辺の公園は満開の桜でした。

https://yma-mia2022.com/

 

        曾我蕭白の「群鶴図屏風」

         伊藤若冲の「叭々鳥図」

          松井慶仲の「虎図」

花曇ふくみし水のひややけく

晴れる。最高気温16℃、最低気温8℃。春風に誘われて桜狩りに。

ソメイヨシノや枝垂れ桜の花が見頃になっていた。青空を背にして桜が映えている。

「花曇ふくみし水のひややけく」

「揺れてゐる人がのぼりし櫻かな」

中村汀女の俳句で、昭和八年(1933年)の句です。

 

徒歩旅行記


 「岳人」2022年1月号の連載「北海道縦断無銭旅行サバイバル」(服部文祥)を読んだ。今回が最終回だった。無銭で狩猟と採集による徒歩旅行記である。食料は、何か所か山の中の小屋にあらかじめ補給所として置き、山野での食料の採集生活で北海道の大地を歩くサバイバルな旅である。
 服部文祥に『百年前の山を旅する』という本があって、若狭湾で捕れた鯖(さば)が若狭から行商人に担がれて海産物として京へと運ばれた鯖街道服部文祥が、その足跡を歩いてたどる紀行文が収録されているのですが、「岳人」連載の「北海道縦断無銭旅行サバイバル」を読むと、その鯖街道を歩いた服部文祥の紀行文を思い出しました。

 

 

 

桜の開花

 21日、気象台から桜の開花宣言があった。今はまだ5分咲きといったところで、公園の桜の木を眺める花見客の姿がちらほらと眺められます。

 

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 「みすず」1・2月合併号に読書アンケート特集があり、アンケートの回答が掲載されています。

 小野和子『あいたくてききたくて旅にでる』PUMPQUAKES、2020年。服部文祥氏が挙げていた本。梅棹忠夫賞受賞。

 辻山良雄氏が小山田浩子『小島』

 武藤康史氏が池内紀川本三郎『すごいトシヨリ散歩』

 石川美子氏が若菜晃子『街と山のあいだ』

 山田稔氏が黒川創『旅する少年』

 三中信宏氏が森まゆみ『路上のポルトレ』

 堀川惠子氏がライザ・マンディ『コード・ガールズーー日独の暗号を解き明かした女性たち』

 原武史氏が、黒川創『旅する少年』、野崎有以『ソ連のおばさん』

参照:https://www.msz.co.jp/book/magazine/202202/

『野呂邦暢 古本屋写真集』のこと

 『野呂邦暢 古本屋写真集』が岡崎武志&古本屋ツアー・イン・ジャパン編で文庫化された。その表紙を見ると、古本屋の前に立つ野呂邦暢さんが写っている。
 この表紙の写真の古本屋が、編者の岡崎武志小山力也の二人の対談を読むと、エイス書房であるという。
 ちくま文庫の表紙ではエイス書房とは分かりにくいが、68,69ページの写真の方を拝見すると、エイス書房という店名が確認できる。
 野呂邦暢は東京の神保町、早稲田、渋谷、池袋、荻窪、それに広島の古本屋の写真を撮っていたのだった。68、69ページの見開きページの写真が千田町にあったエイス書房である。広島電鉄の本社のすぐそばにあった。
 70ページの写真が南海堂。間口が狭いが奥行の深い店であった。
 71、72ページがアカデミイ書店。今も健在である。
 101ページの写真が、八丁堀の福屋の8階にあった名画座のようである。