「グランマ・モーゼス展」を観に出かける。アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは70代で本格的に絵を描き始め、80歳の時にニューヨークで初個展を開いた。最初期から101歳で亡くなるまでに描いた作品から日本初公開を含む約130点の作品が公開される。
手作りの人形や刺繍絵や家族写真、モーゼスの愛用の筆、使用した油絵具なども展示中。多くの作品は木の板に描かれている。雑誌の写真を模写した絵があるのだが、並べられた模写絵と写真の比較が興味深かった。会場では写真撮影は禁止となっている。農場での人々の日々の労働、季節ごとの行事、春、夏、秋、冬と季節の変化がていねいに描かれている。冬の季節の農場を描いた絵の雪景色がいいですね。
https://www.grandma-moses.jp/
「波」4月号の表紙
新潮社のPR誌「波」4月号の表紙の写真が本を読んでいる津野海太郎さんの写真であった。背景にあるのが本棚である。背表紙が並んでいる。表紙に、
みんな
好きに
生きて
という、津野さんの筆跡がある。
背景の本棚の本は津野さんの蔵書ではなかろうか。一冊一冊が写真で見るとかすかに書名や著者名が見分けられそうだ。
右側の本棚から見分けられた書名と著者名を記してみよう。
長谷川四郎 「山猫の遺書」
「長谷川四郎集」
「鶴 シベリア物語」
「文学的回想」
花田清輝 「乱世今昔談」
「もう一つの修羅」
山田稔 「リサ伯母さん」
「生命の酒樽」
「日本の小説を読む」
木下順二 「無用文字」
「議論しのこしたこと」
安岡章太郎 「言葉のなかの旅」
「大世紀末サーカス」
『野呂邦暢 古本屋写真集』のこと
『野呂邦暢 古本屋写真集』が岡崎武志&古本屋ツアー・イン・ジャパン編で文庫化された。その表紙を見ると、古本屋の前に立つ野呂邦暢さんが写っている。
この表紙の写真の古本屋が、編者の岡崎武志と小山力也の二人の対談を読むと、エイス書房であるという。
ちくま文庫の表紙ではエイス書房とは分かりにくいが、68,69ページの写真の方を拝見すると、エイス書房という店名が確認できる。
野呂邦暢は東京の神保町、早稲田、渋谷、池袋、荻窪、それに広島の古本屋の写真を撮っていたのだった。68、69ページの見開きページの写真が千田町にあったエイス書房である。広島電鉄の本社のすぐそばにあった。
70ページの写真が南海堂。間口が狭いが奥行の深い店であった。
71、72ページがアカデミイ書店。今も健在である。
101ページの写真が、八丁堀の福屋の8階にあった名画座のようである。