2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『物くさ太郎の空想力』と『クラウン仏和辞典』

多田道太郎は『物くさ太郎の空想力』1980年刊(角川文庫)の「語学趣味」で、 戦争中、私は群馬県の中島飛行機の工場へ勤労奉仕にやらされた。友人に一人、奇特なのがいて馬鹿でかいリュックサックをかついできている。食料でもつめこんできたのかと皆で…

『2001年宇宙の旅』と『パルプ』

川を渡る途中で上から眺めると、水面で魚が跳ねていた。 一匹、二匹。しばらくしてもう一匹、川の魚が空気中へ身を乗り出している。 ちょうど人類が地球から月へロケットで飛んで行くときのことを連想した。映画『2001年宇宙の旅』の冒頭の猿人が空へ骨…

黒田敬子展と坂田明のサックス

ギャラリーとカフェをやっている袋町芸術館で、『黒田敬子展』を観る。店内はカウンターに人が数人ほど座っていて、展示されている作品の前で見に来た人が二人、黒田さんと作品をめぐっての話などをされていた。入り口近くに展示されている立体のオブジェの…

メタセコイアと安原顯の「編集力」

街路樹に背の高い木がある。以前から気になっていた。高さは、ざっと見るところ20メートルを越えるか。その木の根元へ近寄ってみた。 根回りは太いところで3メートルほどはある。この樹の名札が根元から1メートルくらいの位置に取り付けられている。「メ…

多田道太郎の『ことわざの風景』と脱走の記

多田道太郎は『ことわざの風景』1984年刊(講談社文庫)*1のまえがきにあたる「ことわざの知恵」で、 ことわざはレトリックの萌芽形態である。そしてまた、ことわざはレトリックの行きつくはてでもある。たとえば、怠惰と遊びとレジャーとを論じて、けっ…

満月と歌う人

夕暮れ時、月が東にのぼっていた。満月だ。数日前まで西の空に低く明るく輝いていた金星は雲のためか見えなかった。 公園の池へ寄り道してみた。あたりは暗くなりかけていた。カエルがコンクリートの縁に池の方を向いてじっとしていた。いままで見たカエルで…

MAC時代の松岡正剛さん

稲垣足穂の『弥勒』や『一千一秒物語』を読む前にタルホに出会っていた。 『ハイスクールライフ』という高校生向けの新聞で。この新聞はタブロイド版の大きさで無料で配布されていた。最初に入手したのは学校の図書館だったように思う。 この新聞は読書新聞…

オニヤンマと稲垣足穂の『弥勒』

快晴。日中は暑かった。朝も気温が高かった。 公園の池へ寄り道してみた。陽射しが強い。コンクリートの縁に蓮の葉で陰になった部分に小さな蛙がいた。陽射しを避けているようだ。池の縁のコンクリートのそばの土に、蟹の巣穴があった。水辺から20センチほ…

『ざくろの色』と歌を聴くカエル?

早朝に投票を済ませた。 日中は陽射しが強く暑い日だった。夕方、街路樹にざくろの木を見つける。いままで気がつかなかった。ざくろの実が、鈴なりにぶら下がっている。ざくろの色は赤くなっているのもあるが、まだ完熟した色にはなっていない。 このざくろ…

ナツメの木と長谷邦夫の『漫画に愛を叫んだ男たち』

昨夜、コオロギが何匹かが交互に鳴いていた。リーリーリーと澄んだ鳴き声だ。姿は見えねどもその声に秋を感じる。朝のアサガオは紫が蔓(つる)にとびとびに咲いていた。白に赤の混じった色、絞りになった色のアサガオも目を楽しませてくれる。 街路樹のナツ…

カエルと加藤秀俊の『隠居学』

台風は通り過ぎた。アサガオの花がしな垂れていた。午前中は雲が多かったが、ゆっくり晴れ間が見えてきた。気温が上がる。 夕方、公園のハスと睡蓮の池へ寄り道してみた。ハスの葉はところどころで、茶色に枯れたものがあった。ハスの実は水面へ落下したのか…

コオロギと雑誌の黄金時代

曇り時々雨の一日。夜になってリーリーリーと鳴く虫の声がする。 コオロギだ。リーリーリーを聴いていると、突然鳴き声が止む。静かになる。 しばらくしてリーリーリーと鳴きはじめた。 コオロギの声に秋の訪れを感じる。 『ユリイカ』2005年8月号は、…

ナツメの実と雑誌の黄金時代

朝、涼しくなった。快晴。紫のアサガオや黄色いカンナが咲いている。 正午過ぎに、通りで蜂に出くわす。顔の前に急に現れて飛び去って行った。ひやっとした。 足が長かったので、アシナガバチのようだ。興奮している蜂には近づかないようにしよう。 街路樹に…