2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「風呂敷」の空想力

池の縁のコンクリートにいるカエルの背中が、緑色に成りかけていた。睡蓮の葉や水中にいるカエルたちは、まだ体が土色のままだった。 無尾目の両生類の総称。体は太短く、首のくびれがなく、目は上方に出て、口が大きい。前足に四本、後ろ足に五本の指と水か…

蓮池の田風にしらむ葉裏かな

ハスの葉に雨の滴(しずく)が丸まって残っていた。梅雨がまだ明けないで、むしむしした天気が続いている。時折、風がハスの葉を揺らす。 蓮池の田風にしらむ葉裏かな 蕪村 安永三年(1774年)五月九日の句。

奥野良之助の『金沢城のヒキガエル』とカツオ

先日、公園の池へ寄り道して、ハスの葉や睡蓮の花を眺めた。池へ近づくと何やら牛が鳴いているような声が聞こえて来る。水面のあちこちで、盛んに鳴いているカエルなのだった。池の周りを歩きながら観察した。すると、水に張り付いた睡蓮の葉の上に、小さな…

茂田井武の『トン・パリ』

街路樹の夾竹桃の花が満開である。夏を感じさせる花だ。 公園の夾竹桃も、咲いている。紅い色の花も鮮やかだ。 公園のハスと睡蓮の生えている池へ寄り道する。ハスの葉が急に伸びていた。カエルの鳴き声が池のあちこちで聞こえる。コンクリートの縁、睡蓮の…

ドクダミの花

朝から雨、夕方に止む。降りしきる中をドクダミの花が咲いていた。ドクダミの白い十字形を花びらだと思っていたが、花びらに見える部分は、苞(ほう)という「葉」であるそうだ。ぱっと見たとき、ドクダミは白い十字形の白い部分が花に見えるので、すっかり…

ネムノキの花

街路樹にネムノキの花が咲いていた。昼間よりも淡紅色の花が、夕方に多く見られた。今日は二十四節気のひとつ夏至である。 マメ科の落葉高木。東北以南の山野に自生。葉は羽状複葉で、互生し、小葉が数十枚並んでつく。夜になると、小葉が手を合わせたように…

夏至の空

夏至が近いので、宵の空がいつまでも明るい。午後八時すぎの南南東の空に木星が眺められた。高度は六〇度くらいかな。まだ梅雨が明けていないが、晴天の日々が続いている。通りすがりに、歩道の脇の空き地のツバキに実がなっていた。近寄って見た。この実か…

茂木健一郎の『ひらめき脳』

なかなか暮れない宵の空。その時刻が遅くなっている。もうすぐ夏至だからかな。 竹の篊(ひび)が立ち並ぶ川面(かわも)に、きれいな羽の鳥がいた。アオサギらしい。夏の羽なのだろうか。頭部の冠羽が黒っぽく見える。 リンク元に「いける本・いけない本」…

乗り遅れた兵隊

街路樹にナツメの木が植えられている。通りがけに寄ってみた。小さな黄緑色の花へ、小さな蜂が花を目がけて飛び回っていた。ナツメの葉はつやつやしている。ふーむ。こんなに小さな六ミリほどの花にも、蜜を求めて探し回る昆虫の世界というのは、なんだか不…

『散るぞ悲しき』をめぐって

きのうNHKラジオの「ときめきインタビュー」で、「硫黄島に眠る兵士に教えられたこと」と題して、ノンフィクション作家の梯久美子さんの話を聴いた。 栗林忠道中将をめぐって、取材に二年間を費やして書き上げた本だそうだ。その取材の中で硫黄島も訪れ、こ…

蜜蜂とクローバー

通りの歩道に沿って、クローバーの白い花が一面に咲き誇っている。近寄って花を見ていると、さまざまな昆虫が飛び回っていた。その中で蜂が白いクローバーの花へ蜜を吸いに来ていた。アシナガバチのような体型ではなく、丸っこい姿の蜂だ。 膜翅(まくし)目…

権威には生贄が必要

街路樹のクマノミズキ(熊野水木)に白い花が咲いている。そばを通り過ぎるときに、今まで花に気づかなかった。広く枝を張った大木である。花が咲いている枝と言えば、頭上はるか高い位置にあり、茂った葉の間に見え隠れする。根元から少し離れて仰げば白い…

枇杷と俳画は遊ぶ

寒を過ぎた頃見つけた枇杷(びわ)の木に、実が鈴なりになっていた。一月、二月のまだ寒い時期、垣根から伸びた枝のあちこちに枇杷の花が咲いていた木である。 見事に色づいている。高い木で、垣根からはみ出した枝に鈴なりになっている。下から見上げた。枇…

タンポポの綿毛

街路樹のナツメの木に花が咲いていた。小さくて花の色が黄緑色なので目立たない。つぼみが三ミリくらいだ。開いた花の直径が六ミリくらいである。 歩道沿いにクローバーが一面に生えている。クローバーの中にぽつりぽつりとタンポポが見える。近寄って眺める…

アジサイの花

午後から雨になり、梅雨入りした。雨に濡れたアジサイの花が目にも鮮やかだ。雑節では六月十一日が入梅の日となっているから、数日早く入梅したことになるなぁ。『蕪村句集』に、 さみだれや仏の花を捨(すて)に出る 小田原で合羽(かつぱ)買(かう)たり…

ブルー・ムーンの香り

きょうは二十四節気のひとつ芒種(ぼうしゅ)である。『大辞泉』によると、〈太陽の黄経が七五度の時。六月六日ごろ。稲・麦など芒(のぎ)をもつ穀物の種をまく時期とされていた。〉 公園のバラ園でブルー・ムーンというバラを眺める。とても良い匂いのバラ…

ザクロの花

街路樹にザクロの木が植えられている。通りかかりに見ると花が咲いていた。近寄って下から見上げる。高い木で、伸びた枝に沢山のザクロの花が満開で目に鮮やかだ。 花の色は、ザクロの実が熟した時の色に似ている。秋になって実ったザクロを見るのが楽しみだ…

堀江敏幸の「バン・マリーへの手紙」

大きな栴檀(センダン)の木が橋のたもとにある。根元が太い。枝は広く伸びている。ちょうど今を盛りに淡い紫の花が咲いていた。つい先月初めごろは、まだ若葉という風だったが、いつの間にやら花盛りだ。風が吹くとセンダンの花びらが散りながら地面に落ち…

杉浦茂の世界

ひと月前は、まだ小さな葉だったイチジクの木に、立派な葉が茂っている。思わず近寄って葉を眺めると、昆虫がいた。検索して調べるとキボシカミキリらしい。小学生の頃、夏休みの昆虫採集に、このカミキリムシを捕っていたものだ。イチジク畑に行くと、沢山…

心配しなさんな「欲望する脳」

書店で『新刊展望』、『青春と読書』、『本の窓』の2006年6月号をいただく。『青春と読書』で、茂木健一郎の連載「欲望する脳」を読む。今月のタイトルは「欲望の終わりなき旅」。人間の知性の本質をめぐって書いている。ううむ。オモシロイ。頭の良さ…