2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

水仙に狐あそぶや宵月夜

一月は寒に入っても暖冬だったが、寒気団が南下しているようだ。 夜、外へ出て月を眺める。月は煌々と輝き、天頂付近にあった。 月明かりへ手を差し出すと、地面へ影が映る。植物の葉も地面に影が映っている。『蕪村遺稿』の安永四年(推定)の句に、 水仙に…

「鶴見俊輔さんと語る」という対談のこと

北東の空に月が昇っていた夕暮れ時、橋を渡っていると水面に月が映っているのだった。 岸辺に渡り鳥のヒドリガモが泳いでいる。ピュー、ピュー。という鳴き声が聞こえて来る。 今朝の朝日新聞で「鶴見俊輔さんと語る」という対談を読む。お相手は在日16年…

北斗七星を見る

背の高い大きな木が、あちこちにある。神社の境内にもよく見かけられる。たいていはクスノキの木であることが多いね。 夜半に北斗七星を眺めた。天頂に近いところに柄杓(ひしゃく)が逆さになって、柄は東の方へ伸びている。おおぐま座の中の北斗七星である…

カラヴァッジョの明暗と映画

通りの街路樹に椿の木がある。 椿の花がポツポツと咲き始めている。夜半に天の川が見られた。 NHK教育テレビの「新日曜美術館」で、「カラヴァッジョVSレンブラント 光と影の秘密に迫る」というタイトルの番組を観た。今回のゲストは映画監督の山本晋也さん…

多田道太郎の『日本語の作法』

昨夜の月は上弦の月だったが、今夜の月も、高く天頂に輝いているのだった。『蕪村句集』に、 寒月や門なき寺の天高し 寒月や枯木の中の竹三竿(さんかん)*1 先日、朝日新聞の日曜読書欄で小池昌代さんの金谷武洋・著『主語を抹殺した男 評伝 三上章』をめぐ…

安岡章太郎の『ソビエト感情旅行』

夕暮れ時に南の空高く月が昇っていた。見上げると上弦の月になりかけている。 「朝から晴れて、ひどく暑い。ソビエト船オルジョニキーゼ号(五千トン?)には、ソ連作家同盟の招待をうけた小林秀雄、佐々木基一、それに私の三人のほか、百六十人ほどの日本人…

水鳥や舟に菜を洗ふ女有

夕方、南西の空に細い三日月が昇っていた。夕暮れの川面(かわも)にヒドリガモが群れで泳いでいる。係留されたボートのそばから、こちらにやって来た。五メートルほどまで近寄って来る。すいすい水面を滑るように上流へ進んで行く。『蕪村句集』に、 水鳥や…

野鳥観察

ヒドリガモが川岸に群れて、泳ぎ回っている。長閑な午後の昼下がり。 朝日新聞で「にっぽんの知恵」スペシャル〈今日のお題 生態史観㊦〉というタイトルの梅棹忠夫、森谷尅久、高田公理さんの鼎談を要約したような記事を読んだ。先週から続いている連載もの…

20人格を聴く

今日は二十四節気のひとつ大寒であるが、例年と比べて暖かい。 そんな寒中で枇杷の木に花が咲いていた。白い花で余り目立たないが、匂いはとても好い。 今朝の朝日新聞の「be on Saturday」の連載「愛の旅人」は坂口安吾と矢田津世子をめぐる紀行文。終わり…

鴨遠く鍬そゝぐ水のうねり哉

明日は大寒だというのに、寒さが和らいだ日が続いている。街路樹の椿も咲き始めている。 川岸にヒドリガモが集まって何やら餌を探しているようだ。岩に付いた海苔かな。雄の羽の模様がことに美しい。 『蕪村遺稿』の明和年間の句に、 鴨遠く鍬(くわ)そゝぐ…

笑いのはたらき

冬に赤い色の実をつける木が多いような気がする。センリョウ、マンリョウ、南天。街路樹のクロガネモチの実も色は目立つ小粒の赤い実だ。 なかでもピラカンサの実は木の全体が赤い実で一杯である。目を見張るほどの鮮やかさだ。 バラ科トキワサンザシ属の植…

マンガはルビのある漢字

冬枯れの街路樹のなかに椿の花が一輪見える。先日の小さな神社の藪椿のにぎやかさも好いが、目立たずに咲いているのも趣きがある。 昨夜、NHKラジオ第2の「文化講演会」は「なぜ京都にマンガミュージアムか?」と題して、牧野圭一さんの話を聴いた。 京都国…

多和田葉子の『アメリカ 非道の大陸』

川の岸辺に渡り鳥がいた。ヒドリガモの群れ。快晴で日差しも強いので、うずくまって日向ぼっこかな。寒中にしては暖かい日だ。 水辺にいる仲間の鳥は岩に付いた海苔を食べている。 昨日郵送されて来た『出版ダイジェスト』No.131から「愛書狂」というコラム…

森本哲郎さんと雑誌『VAN』

昨日、川を渡っている時に、二羽のカモメが頭の上を飛び越えて去って行った。上流の方にいる仲間から離れて飛んで来たのだ。間近に見ると速いなあ。 雑誌『BRUTUS』は、〈脳科学者ならこう言うね!〉というタイトルの特集。茂木健一郎と中沢新一の対談を読ん…

寒ごりに尻背けたるつなぎ馬

晴れ上がって朝は冷え込んだ。二十四節気のひとつ小寒は六日で寒の入りだった。今、小さな苗だった葉牡丹が見頃だ。 アブラナ科の越年草。キャベツを観賞用に改良したもので、葉は結球せず、冬に白・黄・紫・紫紅・淡紅色などになる。 『大辞泉』 『蕪村遺稿…

草野心平の青春

街路樹にメタセコイアが並んで植えられている。二十五メートルほどの高さかな。茶褐色の葉が落ちて、枝がくっきり眺められる。 冬至の頃より、日没が遅くなっていると実感する。晴れているが、寒い日であった。 夜、NHkスペシャル「日本の縮図 1000人に…

やぶつばきの花

昨日、見かけた椿の花。大きな木である。小さな神社で一七八七年に創建。稲生神社からの勧進という。境内が狭く、本殿へあがる石段の右手に咲いている。幹に、ヤブツバキと説明板がある。 野生のツバキ。海岸や山地に自生し、春、赤い五弁花が咲く。本州以南…

『かもめ食堂』のこと

今日は二十四節気のひとつ小寒である。ぶるぶる。寒の入りで山間部では雪が降っているそうだ。 橋を渡っていると風が強い。上空に鳥の群れが舞っている。 凧のように風に乗って舞い上がっている。トビだ。 『ユリイカ』2006年12月号は、「特集 監督系…

暗黙知に根ざした文化のこと

川の岸辺に、ヒドリガモの群れがいた。排水口から流れ込むきれいな水へ向かって、くちばしをパクパクさせている。餌をすくっているようだ。この冬初めて近くで眺める。 『中央公論』2006年12月号で、養老孟司の「鎌倉傘張り日記」と、甲野善紀と茂木健…

寒月や門なき寺の天高し

夕方、東北の空に満月が見られた。夜半に外に出てみると月は天頂に達している。煌煌と輝いているのだった。蕪村の句に、 寒月や門なき寺の天高し 月天心貧しき町を通りけり 朝のNHKラジオの「ラジオあさいちばん」という番組で、「日本の針路」をめぐり、「…

漫画図書館青虫

正午過ぎに初詣に出かける。金沢の諸江屋の「辻占福寿草」ではないが、そんな気分で御神籤を引く。大吉だった。周りで御神籤を引いた人たちが「あっ、大吉だ!」 と声を上げているのが聞こえる。 境内にある石碑を読む。鎌倉時代に創建という。一七五〇年代…

アキ・カウリスマキのコメント

年の暮れから、『甘茶日記』と『目白雑録2』の二冊を読んでいる。フィンランドのアキ・カウリスマキ監督のコメントが最高という中野翠の文に、にやりとする。 それでもやっぱり・・・・・・オマケの特典ディスクは楽しかった。全四巻のうちの三巻目(おもに…

新春 「辻占福寿草」

新年明けましておめでとうございます。 お雑煮とおせちをいただくと、いかにも正月らしいのびやかな気分になる。 わたしのところの雑煮は、澄まし汁で餅は丸餅である。具は牡蠣と三つ葉と蒲鉾のスライスしたもの。 暮れにいただいた金沢の諸江屋の「辻占福寿…