2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

みなづき、京のお菓子

ムクゲの花が咲いている。白に淡紅色がほんのり混じった花が目に鮮やかだ。蕪村の句に、「祗園会や真葛原(まくずがはら)の風かほる」。 真葛が原とは、東山山麓の台地。歌枕とある。 京都の六月というと、三十日に夏越(なごし)の祓(はらい)で、神社で…

ところてん逆しまに銀河三千尺

晴れて梅雨の中休みといったところであるが、風があっても蒸し暑い。 ところてん、葛切りを冷やして食べたくなる。 蕪村の句に、 ところてん逆(さか)しまに銀河三千尺 安永六年の句である。 書店に寄り、『本の話』、『青春と読書』、『本の窓』、『新刊展…

「シモーヌさん」のclou

二十三日、老舗書店で『新刊ニュース』、『本』2007年7月号をもらう。岩波の本のコーナーで文庫新刊を見ていると、ジョイスの『若い芸術家の肖像』(大澤正佳訳)があった。 冒頭や巻末の訳者解説を読んでいると、ジョイスの墓がスイスのチューリッヒに…

ラジオ深夜便「読書で豊かに」

晴れて日差しが強く、暑い日である。 橋を渡っている途中、川面(かわも)に魚が飛び上がっていた。大気中に姿を見せて、白い脇腹をひねって水中に戻った。 その直後、少し離れた滑らかな水面からも魚がとび出して跳躍遊びをしているかのようだった。ぴよー…

「新・話の泉」を聴く

夜、NHKラジオで「新・話の泉」を聴いた。 出演は立川談志、山藤章二、毒蝮三太夫、嵐山光三郎、松尾貴史で、司会が渡邊あゆみアナウンサーである。 質問を渡邊あゆみさんがして、その質問に答えるという番組なのだが、面白い。 始めにオタクぶりを披露して…

「新日曜美術館」パルマ もうひとつのルネッサンス

午前、NHK教育テレビの「新日曜美術館」で「パルマ もうひとつのルネッサンス」と題した番組を観た。 今、国立西洋美術館で開催されている展覧会についての番組である。 ルネッサンスの頃、イタリア北部のパルマで天井画を描いた画家コレッジョとパルミジャ…

四方田犬彦の『越境のレッスン』

今日は二十四節気のひとつ夏至である。 昨夜から雨模様で、今日は曇って降ったり止んだりだった。 白や淡紅色の花が雨に濡れている。スラリ縦に伸びたタチアオイである。 ムクゲとフヨウの花に似ているが、同じアオイ科の仲間であるからかな。 アオイ科の越…

蝮の鼾も合歓の葉陰哉

夜明けが早い。夕方は、ちっとも暮れない宵空である。このところ星空が梅雨空で眺められないが、もうすぐ夏至だなぁ。 通りの街路樹のネムノキに花が満開だった。蕪村の句に、 蝮(うわばみ)の鼾(いびき)も合歓(ねむ)の葉陰哉 安永四年もしくは五年の句…

ユル・ブリンナー氏とカエル

通りにネムノキがあり、満開になっている。背の高い木で、枝も伸びて繁茂している。蒸し暑いが、風が強く吹いて来る。 久しぶりに公園の池に寄り道した。 近づくと何人もの人が池をのぞきこんでいる。ハスの葉が急に立ち上がっていたり、水面をじっと目を凝…

みじか夜や毛むしの上に露の玉

早朝、ニガウリと赤ネギの苗を植える。夜が明けるのが早い。今朝は幸い雨は降らなかった。梅雨の中休みである。 蕪村の句に、 みじか夜や毛むしの上に露の玉 明和六年五月二十日の句である。 正午過ぎに川を渡っているとアオサギが、一羽浅瀬に見下ろせた。…

『つくる、たべる、昔野菜』

『つくる、たべる、昔野菜』(とんぼの本/文・岩崎政利、写真・関戸勇/新潮社)は、一九七〇年代から姿を市場から消してしまった野菜とその魅力(生命力と多様性に富み、なによりもおいしい!)を語り、その栽培のコツを教えてくれる。 そして、「昔野菜」…

長新太をめぐって

昨夜からの小雨が今日も降ったり、止んだりしていた。 午前、入梅宣言が気象庁から。雑節では、入梅は六月十一日である。そうすると、今年は少し遅い梅雨入りなんだなぁ。 雨にぬれてアジサイの花が咲いていた。 『KAWADE道の手帖 長新太』(河出書房新社)…

小栗康平・内山節の往復書簡

街路樹のナツメの木に花が咲いていた。淡黄緑色で大きさは六ミリほどである。近くに寄って見ないと分らないくらいの花だ。 公園の池に寄り道する。カエルがコンクリートの縁にいた。トノサマガエルで、背中の縦にある白い模様が、緑色になりかけていた。土色…

多田道太郎の「風雅の虎の巻」の解説

晴れて日差しが強い。風も強く吹く。 イチジク畑の葉が大きくなっている。桑の葉を、マウスパッドの大きさとすれば、その二倍半もある大きさだ。カミキリムシはいなかった。 夕方、西の空に金星が輝いている。水星は見えなかった。 橋本治の『風雅の虎の巻』…

サン=テグジュペリのバラの花

通りにザクロの木がある。満開で、下にも散ったザクロの花の色で賑やかだ。 夜のNHKのETV特集で「“星の王子さま”と私」と題した番組を観た。サン=テグジュペリの『星の王子さま』をめぐって、内藤濯の訳と池澤夏樹の訳による翻訳文が朗読されて、その違いに…

『ブリキ男』を読む

昨日の夕方に夕立があって、雷鳴と落雷が聞こえたり見えたりした。夜半まで雨模様だったが、今朝は晴れ上がった。 散歩の途中、枇杷(びわ)の実が鈴なりになっていたので、そばに近寄って下から見上げる。青空と枇杷の実の橙(だいだい)色との対比が鮮やか…

「清水昶の新俳句航海日誌」を読む

夾竹桃(きょうちくとう)の花が満開である。通りのあちこちで、紅色や白色の花を咲かせている。長く咲いて夏を彩ってくれる街路樹だ。数百メートルも点々と連なって植えられている所もある。 キョウチクトウ科の常緑低木。株立ちとなり、葉は竹に似て、三枚…

至福の時間、大貫妙子の歌声

午後四時ごろに夕立があり、雷鳴も聞こえて来た。雨があがった後の公園の池へ寄り道する。近づくにつれて蛙の鳴き声が騒がしい。乾いていた空気が雨で湿っているので、蛙も元気だ。 降った雨の粒が、ハスの葉に丸くなって水銀のように見える。よく見ると一匹…

「小実昌さんのこと」にふれて

気温がぐんぐん上って夏日だった、蒸し暑いが、適度な風もある。夏が来ると思い出すではないが、ネムノキにつぼみが膨らんでいる。小さな粒粒のつぼみがボールのように密集しているのだった。 マメ科の落葉高木。東北地方以南の山野に自生。葉は羽状複葉で、…

畑中純『1970年代記』にふれて

街路樹のクマノミズキの木に白い花が咲いていた。小花が密集しているのが印象的だ。街路樹では余り見かけない。若葉と花の咲いているころが好きな木である。 新聞の切抜きから、朝日新聞の日曜読書欄で嵐山光三郎の「たいせつな本」?、「深沢七郎『楢山節考…

どくだみや真昼の闇に白十字

ドクダミの花が咲いている。 ドクダミ科の多年草。日陰の湿地に生え、高さ一五〜三五センチ。全体に悪臭がある。葉は広卵形。夏、淡黄色の小花を穂状につけ、その基部に白い苞(ほう)が十字形につき、花びらのように見える。整腸・解毒・利尿などの民間薬と…

んんん

昨日は満月であったが、雲があって見なかった。一昨日の夕暮れの空は、晴れて風があり、東南東に昇って来た丸い月が眺められた。 地平線に顔を出したばかりの月は、高く昇っている時の月と比べると大きく見える。 今日、川を渡っていると、白いアオサギが浅…