2009-01-01から1年間の記事一覧

「道端の本屋さんから・・・」

橋を渡っていると川上からボートが二艘下って来た。美しい動きだ。 昨日につづいて、内田吐夢監督の映画『宮本武蔵 巌流島の決斗』(1965年、東映、121分、カラー)を映像文化ライブラリーで観た。宮本武蔵の五部作の完結編である。内田吐夢監督の渾…

内田吐夢監督の『宮本武蔵 一乗寺の決斗』

快晴で柿の木の枝に実が鈴なりだ。乾いた風が心地よい。 川を渡っていると白いカモメが青空を飛んでいた。 カキノキ科の落葉高木。また、その実。山地に自生するが、古くから栽培される。よく分枝し、葉は短楕円形で先がとがり、光沢がある。秋に紅葉する。…

猫と流星

オリオン座流星群を見るべく午前3時から観望した。 街灯の光を避けるために小高い山の公園の頂上へ上がった。 3時20分に、オリオン座から西の方へ流星が流れて光って消えた。 目を地面へ向けると、左手の暗闇からなにやら白い小さなものが動いて近づいて…

ロバート・キャンベル氏の話

快晴で乾いた風が吹く。金木犀(キンモクセイ)の香りがあちこちの庭木や街路樹から漂って来る。匂いといえば最近、よく見かけるのが開店したばかりのたい焼き屋さんだ。 そのお店の前を通り過ぎる時に、たい焼きを焼く匂いがする。 うーむ。お店の屋号が○○…

植え付けとイチジク

園芸店で買って来ていたキャベツとイチゴの苗を植え付ける。肥料も施す。 午後、イチジク畑のそばを通りかかると、道に接して熟した実が鈴なりに生(な)っていた。 近くに寄って眺める。今年の夏はイチジクの害虫のカミキリムシを一匹も見かけなかった。 昆…

「新・話の泉」を聴く

園芸店で野菜の苗、パセリ、チマサンチュ、カキチシャ(赤葉)を購入。 夜、NHKラジオの番組「新・話の泉」を途中から聴いた。 今夜の出演者は、毒蝮三太夫、嵐山光三郎、山藤章二、松尾貴史の各氏に、録音している声での出演になる立川談志さんで、司会はお…

出前自然史博物館

知人から案内状をもらっていた、一日だけの出前自然史博物館を観に訪れる。 化石、ゴキブリ模型、昆虫、植物標本、動物の頭骨、アンモナイト、埋没林の輪切り、黒曜石、花崗岩、鳥類と哺乳類などの動物標本が展示されていた。 庄原化石集談会からのショウバ…

『エッセネ派』

10月8日が二十四節気のひとつ寒露だった。 この頃になると、北の地では初氷がみられるようになるから寒露というらしい。 今日は快晴で、風が北から強く吹く。遠くの山がくっきりと眺められる。 夕方、川を渡っていると、魚が水面に飛び出していた。 ぴょ…

「探求この世界」

先日、晴れた朝の光に照らされた花がはっとするほど鮮やかだった。フヨウの花だろうか。 蕪村の花の句にフヨウではないが、次のような句がある。 「道のべや手よりこぼれて蕎麦花(そばのはな)」。 昨夜、NHK教育テレビの番組「知る楽」を観た。 「探求この…

映画『夏時間の庭』

4日、オリヴィエ・アサイヤス監督の映画『夏時間の庭』(2008年、フランス、102分、カラー、ヴィスタ、クレスト)をサロンシネマ1で観た。観客は15人ほど。 毛布に包(くる)まって気持ちよく見る。 長男はパリ、次男は北京、末の長女はニューヨ…

小野二郎さんの文2

朝日新聞の日曜の読書欄の「著者に会いたい」は木田元さんだった。 木田元さんのエッセイ集『ピアノを弾くニーチェ』(新書館)の新刊についての聞き書きで、そのなかに、小野二郎さんについての話があったので驚いた。 例えば、いまなお興味が尽きないとい…

小野二郎さんの文

秋雨前線の停滞で降ったり止んだりで、湿度が高かった。 今年の冬野菜は、腐葉土と菜々実さんという肥料で土作りをする。 先週植えたグリーンボール・キャベツ、シュンギク、白菜が根付いたようだ。 9月に、嵐山光三郎著『「下り坂」繁盛記』(新講社)が出…

バラード追悼特集

雑誌『SFマガジン』(2009年11月号)は、4月に亡くなって半年近くになりますが、「J・G・バラード追悼特集」号です。 まだ9月なのですが、もう11月号が出ているんですね。 追悼評論「真珠湾攻撃の内宇宙―バラードまたはSF史の変容―」( 巽孝之)…

カタラン語

正午前後は残暑で蒸し暑かったが、夕方から日暮れにかけて涼しくなった。 午後7時過ぎに南の空に月が眺められた。上弦の月だ。 昨日、公園の池に寄った時に会った二人連れの旅行者のうち一人がカタラン語の名前だった。 語らん語ではなくカタラン語だ。残り…

映画『航空都市』

9月23日は二十四節気のひとつ秋分である。道端に彼岸花が咲いて目に鮮やかだ。 墓参のあと、午後から「ロシア・ソビエト映画特集」でアレクサンドル・ドヴジェンコ監督の『航空都市』(1935年、82分、白黒)を映像文化ライブラリーに観に出かけた。…

『人生に乾杯!』

街路樹のコナラの果実が樹下に大量に落ちて散らばっていた。 ドングリである。小楢(こなら)は『大辞泉』によると、 ブナ科の落葉高木。山野に自生する。葉は倒卵形で先がとがり、縁にぎざぎざがある。五月ごろ、新しい枝の下部に尾状の雄花、上部に雌花が…

「書棚と平台」

暑さ寒さも彼岸まで。九月二十日が雑節で「彼岸」である。 川岸にアオサギがいた。近寄ると人の気配に気づき、大きな翼(つばさ)を広げて飛び上がって行った。 柴野京子著『書棚と平台』(弘文堂)を読む。とても興味深い。 副題は「出版流通というメディア…

アレクサンドロフ監督の『陽気な連中』

「ロシア・ソビエト映画特集」が映像文化ライブラリーで9日から始まっている。 17日はグレゴリー・アレクサンドロフ監督の『陽気な連中』(1934年、95分、白黒)を観た。 『陽気な連中』の冒頭、チャップリン、つづいてハロルド・ロイド、そしてバ…

『ボリシェビキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』

「ロシア・ソビエト映画特集」が9月9日より映像文化ライブラリーで始まっている。 一本目は、ヤコフ・プロタザーノフ監督の映画『アエリータ』(1924年、90分、白黒、無声)で、9日に上映された。このときは観客は15人ほど。 16日、レフ・クレ…

『身体としての書物』

川を渡っているとアオサギがいた。近くにも数羽のアオサギが見える。 サギ科の鳥。全長約九五センチ。背面が青灰色、目の後方と冠羽が黒い。水田や湖沼で魚・ザリガニ・カエルなどを食べ、木の上に巣をつくる。 『大辞泉』 『図書』に連載の今福龍太さんの「…

頭頂の翳(かざ)しの花

九月七日は二十四節気のひとつ白露だった。この頃から秋の気配が感じられはじめる。 夜になると虫の鳴き声が遠く近くと聞こえて来る。秋の夜長。 街路樹にムクゲが植えられていて花が咲いている。 蕪村の句に、「修理寮(しゆりれう)の雨にくれゆく木槿(む…

ヤコフ・プロタザーノフ監督の映画『アエリータ』

「ロシア・ソビエト映画特集」が、映像文化ライブラリーで今日から始まった。 もらったパンフレットによると、《世界初の社会主義国家として成立したソビエト連邦では、国家思想を普及させる手段として映画が重要視されるなか、監督たちが映画の革新に取り組…

「未開と文明」と『学問の春』

「本はねころんで」さんで、山口昌男さんの新刊『学問の春』をめぐって興味深い話を楽しんで読んでいます。 ところで、9月7日の《山口昌男さんのもので平凡社からのものはというと、なんといっても「未開と文明」であります。これは編著であるのですが、な…

ナツメと『学問の春』

街路樹のナツメが赤く熟してきた。根元に点々と赤い実が落ちている。 土地の人から、このナツメの木は日露戦争の時に、大陸から持ち帰って民家に植えられていたもので、戦災にあい、後に街路樹として移植されたものという。 川を渡っていると、魚の群れが水…

昆虫主義

小学生の頃、夏休みの課題に、カミキリムシを採ってくるべしというのがありました。 カミキリムシを10匹採ると、鉛筆を一本くれると言う課題だったように記憶しています。 イチジク畑に生息しているカミキリムシが多くいたので、栽培農家のための害虫防除…

「新・話の泉」を聴く

今宵は月がもうすぐ十三夜である。 地上には虫の音が聞こえてくる。昼間はまだ暑いが、日が暮れると風が心地よい。 夜、ラジオのスイッチを入れると「新・話の泉」の後半だった。 出演は立川談志、山藤章二、嵐山光三郎、毒蝮三太夫、松尾貴史の各氏で、司会…

トミ・ウンゲラーとロナルド・サール

雑誌「芸術新潮」2009年8月号は、特集が「トミ・ウンゲラーのおかしな世界」である。 フランス東部にあるアルザス地方の古都、ストラスブール市に、「トミ・ウンゲラー美術館」が2007年11月に誕生したという。 「人生篇 ある放蕩息子の長い長い旅…

縁故疎開と水事情

通りの街路樹にザクロの実が鈴なりである。目にも鮮やかな色つやだ。 講談社のPR誌「本」2009年9月号に連載、堀井憲一郎の「落語の向こうのニッポン」37は「水汲みの風景」と題して、冒頭で桂米朝の『つぼ算』のマクラの部分から引用して、大阪の水事…

ニガウリとチチンプイプイ

23日は二十四節気のひとつ処暑である。暑さが落ち着く時期の意という。 夜明け前に目覚めた。 外へ出ると、まだ暗い。東の空に、明けの明星が眺められた。 金星はまばゆいばかりに輝く。高度は30度ほどである。 東南東に低く、シリウスの輝きが淡く夜明…

夏祭り

夜、夏祭りに出かける。午後九時前から待っていると、午後九時半過ぎになって御座舟が漕ぎ伝馬船に引かれて海から港に入って来た。 港にある社に寄って神事を終えると、御座舟は港の中を伝馬船によって回りながら迎え火のある岸の桟橋に接岸した。 この岸で…