2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

種芋と犬と『細雪』

一月は「北欧映画特集」と「名作映画 岸惠子特集」の二つの特集があった。 「北欧映画特集」では、8日にアキ・カウリスマキ監督の映画『愛しのタチアナ』が印象に残る。 フィンランド人、エストニア人、ロシア人の四人の若者のロードムービー。 9日にアキ…

柳田泉と露伴

昨年刊行された『柳田泉の文学遺産』(右文書院)が三冊出ている。 第一巻は、柳田の「自伝的回想」と「明治文学の研究」がまとめられている。黒岩比佐子さんの解説の結びに、うなずくところがあった。 堅苦しく「学問」をするというのではなく、調べて発見…

渡り鳥と火星

風はまだ冷たいが気温は寒にしては暖かい。川の岸辺に渡り鳥が群れていた。浅瀬で水中にくちばしを入れながら餌をついばんでいる。ヒドリガモだ。距離は10メートルほど。 夕方から、1週間限定上映中のクリント・イーストウッド監督・主演の『グラン・トリ…

小津安二郎は落語だ!3

夜、NHK教育テレビで「知る楽 こだわり人物伝 小津安二郎は落語だ!」を観る。今回は最終回で、第4回「やっぱりヘンな人でした」の巻。解説は立川志らく。 小津映画をプロデュースした山内静夫さんに、立川志らくが聞いている。 小津の食べ物、映画の撮り方…

『The Word Book 』のこと

午後8時前に、やや北寄りの東の空に明るく輝く星が見られた。赤い色をしている。 火星だろうか。高度は30度ほど。上空はるか天頂あたりに月が昇って来ている。 「天文手帳」などを調べると、「これまで奇数年に訪れていた火星の地球最接近」は今回は1月…

「極楽の近道いくつ寒念仏」

晴れて陽射しが強く、寒中で冷え込む。法事で僧が来訪。 蕪村の句に、「極楽の近道いくつ寒念仏」。 今月は「北欧映画特集」以外に、「名作映画 岸惠子特集」があり、21日は小林正樹監督『あなた買います』(1956年、松竹、112分、白黒)の上映があ…

小津安二郎は落語だ!2

20日は二十四節気のひとつ大寒で、一年中でいちばん寒い時期のはずなのだが、なんと13度まで気温が上昇した。湿度も高く春のような天気だ。日も長くなり日没が遅くなる。夜、春先によく聞こえて来る猫の鳴き声がしていた。 NHK教育テレビで「知る楽 こだ…

「女優という謎」

『文學界』2010年2月号の「女優という謎」が読ませる。 蓮實重彦と岡田茉莉子のお二人の対談で成瀬巳喜男の『流れる』が話題になっているところなどが・・・。 杉村春子の年増の芸者と若い芸者の岡田茉莉子の二人がお座敷から芸者置屋に戻ってきた後に…

村はずれの羊飼い

寒に入って寒さが連日厳しい。今日は少し気温が上がる。8度まで上がった。 今年は、毎年見かける冬の渡り鳥のヒドリガモを見かけない。川で見かけるのはカモメの群れ、アオサギ、海鵜ばかりなり。 二羽のアオサギが浅瀬に身を縮めてじっと零度の気温に耐え…

エリック・ロメールのこと

13日の朝日新聞に「ヌーベルバーグの旗手 ロメール氏死去」のニュースを目にする。 日本未公開作だったエリック・ロメールの映画『三重スパイ』が、2008年の「日仏交流150周年記念」の「フランス映画の秘宝」で上映された。この映画のことをすぐに…

「新・話の泉」で森繁を聴く

「出版ダイジェスト・白水社の本棚」が届く。「愛書狂」というコラムに、《無人島へ持っていく一冊というアンケートがあるなら、棺に収める一冊という問いかけがあってもいい。》 例として、篠田一士が『樹樹皆秋色』のなかで書いているのが吉田健一は読みさ…

カウリスマキ監督『愛しのタチアナ』

「北欧映画特集」が映像文化ライブラリーで8日から始まった。 8日、アキ・カウリスマキ監督『愛しのタチアナ』(1994年、フィンランド、62分、白黒)を観た。観客は25人ほど。 1960年代に流行したロックンロールの音楽、ツイストの踊りがなん…

小津安二郎は落語だ!

5日は二十四節気のひとつ小寒であった。 一年中でもっとも寒さの厳しい時期、寒の入りである。 秋に植えたキャベツが葉をひろげてきた。 今日の最低気温は1℃で最高気温が6℃。 夜、NHK教育テレビでの「知る楽 こだわり人物伝 小津安二郎は落語だ!」を観る…

新春・落語四題

新年明けましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。 元旦は、お雑煮とお節(せち)を頂くと、正月らしい気分となりました。わたしのところの雑煮の餅は丸餅です。 いりこの出汁の澄まし汁に牡蠣と蒲鉾と三つ葉が入っている。 寝…