2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『甘い汗』と山茶花究

29日、「京マチ子特集」の一本、豊田四郎監督の映画『甘い汗』(1964年、東京映画、119分、白黒)を観に駆けつける。昼の部で超満員。 プログラムに、 シナリオ作家・水木洋子が書いたテレビドラマの映画化。水商売の世界を転々としながら、家族を…

映画『浮草』

「京マチ子特集」から、小津安二郎監督の映画『浮草』(1959年、大映、119分、カラー)を観に寄る。 プログラムの説明によると、 戦前の『浮草物語』のリメイク。旅役者の駒十郎は、かつて恋仲だったお芳のいる町にやって来る。駒十郎を実の父とは知…

ねぎ坊主と「道具屋」

ねぎ畑に白い花が咲いていた。花は密生して球状のねぎ坊主である。 ユリ科の多年草。葉は太い管状で先がとがり、中に粘液を含む。初夏、管状の花茎を出し、先にねぎ坊主とよばれる白緑色の小花が球状に密生する。野菜として栽培され、葉の白い部分を食べるも…

今年のカンヌ国際映画祭

梅の木に実が葉に隠れるように育っている。蕪村の句に、「青梅をうてばかつ散る青葉かな」。 今朝の朝日新聞で、カンヌ国際映画祭にアピチャッポン・ウィーラセタクンの『ブンミおじさん』がパルムドール賞を受賞したという記事を読む。 一昨年(2008年…

ヤナギと「京マチ子特集」

21日は二十四節気のひとつ小満。草木が茂って天地に満ちる頃。 街路樹のヤナギの細い枝がくねくねとして、葉は波打ったように曲がっている。 高さが十メートル以上もあり高木で、ウンリュウヤナギというプレートが幹にくくりつけてあった。面白い枝ぶりと…

『コンコード川とメリマック川の一週間』と『よあけ』

訳者の山口晃氏の「訳者あとがき」を読むと、はじめはおおよそ以下のような執筆の構想があった。 ヘンリー・ソローの『コンコード川とメリマック川の一週間』は、もともとは舟旅の直後に、翌年の七月から『ダイヤル』誌の刊行がはじまる頃に、自分の書けそう…

ジャンニ・ロダーリを読む

ニガウリと大葉(青紫蘇)の苗を植える。五月になって五月晴れの日がつづいたが、午後から天気が下り坂で、夕方から小雨が降り出した。 ジャンニ・ロダーリ著『青矢号 おもちゃの夜行列車』(岩波少年文庫)を待ちに待っていたのを、大型書店でやっと見つけ…

ジャンニ・ロダーリの新刊

公園の薔薇が満開で良い香りが充満している。薔薇の香水! クスノキの若葉の新緑と小さな花が開いていて、風も乾いて爽やかだ。 今月、岩波書店からジャンニ・ロダーリの『青矢号 おもちゃの夜行列車』が出る。関口英子訳 である。 『猫とともに去りぬ』も関…

『コンコード川とメリマック川の一週間』

而立書房からヘンリー・ソロー著『コンコード川とメリマック川の一週間』が山口晃氏による全訳で今年1月に出版された。山口晃氏の「訳者あとがき――別れと始まり」を読むと、今までソローの『コンコード川とメリマック川の一週間』の日本語による全訳がなか…

『雨月物語』の撮影

今月の映像文化ライブラリーは「京マチ子特集」である。 7日、吉村公三郎監督『偽れる盛装』(1951年、大映、102分、白黒)を見に寄った。 脚本が新藤兼人。戦災に遭わないで街が残った京都の祇園を舞台に、京マチ子の演じる芸者・君蝶と京都市の観…

古書街・道草のすすめ3

ラジオ深夜便の「ないとエッセー」の「神田神保町 遠めがね〜古書街・道草のすすめ」の第三回「路地裏の道草」と題して坂崎重盛氏が語るのを聴く。断片的ですが、聞き書きです。 神保町への行き方。御茶ノ水駅から行く。 表通りの裏の路地にある建物、細い路…

古書街・道草のすすめ2

公園の池に寄る。静かな水面にひっそりと睡蓮が花開いていた。青空が水面に映り、池を通り抜ける薫風が爽やかで気持ちが良い。 『中央公論』2010年6月号で、《「グーグルベルグの時代」と本・読書の近未来形》と題して、宮下志朗と港千尋の両氏によるイ…

古書街・道草のすすめ

今夜から、NHKラジオ深夜便の「ないとエッセー」に、「神田神保町 遠めがね〜古書街・道草のすすめ」と題して随文家の坂崎重盛氏が出演です。 神保町の歩きかた、楽しみ方についての話です。 第一回は「古本屋さんの街、神保町へ行こう」と題して、坂崎重盛…

「パーネ・アモーレ 楽しきイタリア語」

5月5日は二十四節気のひとつ立夏だった。 今日は、晴れて汗ばむほど気温が上がるが、湿度が低いので吹く風が爽やかだ。 NHKラジオ深夜便「人生“わたし”流」で、「パーネ・アモーレ 楽しきイタリア語」と題するイタリア語の通訳・翻訳者の田丸公美子さんの…

ジャック・ロジェの『メーヌ・オセアン』

ジャック・ロジェ監督の映画『メーヌ・オセアン』(1985年、フランス、135分、カラー)を観れた。「ジャック・ロジェのヴァカンス」で上映された作品群の一本である。 冒頭、パリの駅で急いで切符をもとめて列車に乗り込む女の動きを追って映画は始ま…

ジャック・ロジェの『アデュー・フィリピーヌ』

5月1日から5日までジャック・ロジェの作品が映像文化ライブラリーで上映される。 初日、『アデュー・フィリピーヌ』(1960−62年、フランス=イタリア、110分、白黒)を見に駆けつける。ジャック・ロジェの作品は初めて観る。原題はAdieu Philipp…