2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

曼珠沙華無月の客に踏れけり

道端に彼岸花(ひがんばな)が咲いていた。群生していて色鮮やかである。 ヒガンバナ科の多年草。土手や田の畦に生える。秋の彼岸のころ、高さ三〇センチの花茎を伸ばし、長い雄しべ・雌しべをもつ赤い六弁花を数個輪状につける。花の後、線形の葉が出て越冬…

ロダーリの新刊

早朝、ゴーヤを収穫する。 秋分を過ぎて、街路樹にザクロの実が見られた。 ザクロ科の落葉高木。葉は長楕円形。六月ごろ、筒形で多肉質の萼(がく)をもつ橙赤色の花をつける。果実は球形で、紫紅色に熟すと裂けて種子が現れる。果実の外種皮を食用に、また…

「落語全集」

「落語全集」については、岩波少年文庫の50年『なつかしい本の記憶』(岩波少年文庫別冊)に、池内紀と池内了の「耳と目で読む」という対談に述べた箇所がある。 対談によると、池内了氏は、「落語全集」というのが家にあって、分厚い上下二巻本で昭和二、…

隠居学の「講談全集」「落語全集」

今月の4日の朝日新聞の読書欄「ニュースの本棚」に、加藤秀俊氏の「梅棹忠夫再読」が掲載されていた。再録すると、 生態学という学問は世界の姿をあるがままにみる学問である。そこには分類学も系統論も目的論もない。梅棹さんといっしょに、わたしはしばし…

映画『復活』

22日、台風一過、秋晴れであった。 「イタリア映画特集」のパオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ監督の映画『復活』(2001年、イタリア、フランス、ドイツ、187分、カラー)を観に寄る。観客は50人ほど。 上映時間が三時間を超える…

映画『赤い砂漠』

早朝、北寄りの風が吹く。雲がゆっくり南へ移動してゆく。雨はなく、台風の今後の動きが気になる。 今月は池部良特集とイタリア映画特集の二本の特集が映像文化ライブラリーで上映されている。 ミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画『赤い砂漠』(19…

マルチェッロ・アルジッリの『アトミーノは戦争がきらい』

東京創元社のウェブマガジンにマルチェッロ・アルジッリの『アトミーノは戦争がきらい』を入手した北原尚彦氏が、その内容について書いている。 『アトミーノは戦争がきらい』という作品の概要がやっと分かる。 マルチェッロ・アルジッリの『くじらをすきに…

社を出れば十六夜の月上りけり

8日が、二十四節気のひとつ白露だった。 この頃より秋らしくなるのだが、三十度を越える真夏日がつづいている。 通りの街路樹から蝉の鳴き声が、まだ聞えていた。 この残暑で、公園の池の縁にトノサマガエルがいた。 睡蓮の広がる水面に生えている葦(あし…

祇園の鴉愚庵の棗(ナツメ)くひに来る

街路樹のナツメが熟して赤く色付いた。 明治三〇年の正岡子規の句に、「祇園の鴉愚庵の棗(ナツメ)くひに来る」。 4日の朝日新聞の読書欄「ニュースの本棚」に加藤秀俊氏の「梅棹忠夫再読」が掲載されていた。 梅棹忠夫さんが亡くなって1年がすぎた。 本…