2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『東京物語』を味わう

9月は、「家族の肖像 ホームドラマの軌跡」と題して家族を描いた映画の特集だった。 その中の一本。 小津安二郎監督の映画『東京物語』(1953年、松竹、136分、白黒)を鑑賞する。 撮影は厚田雄春である。 出演は、笠智衆、東山千栄子、原節子、山村…

成瀬巳喜男監督の映画『稲妻』のユーモア

26日、午前5時半過ぎ、月が南西の空に高く昇っていた。快晴である。隣り合うように東に木星が輝く。 27日、午前5時半過ぎ、快晴で天頂付近に下弦の月が見られた。左に並ぶように木星があり、南の空にはシリウスが輝く。朝の最低気温16℃。最高気温は…

志村三代子著『映画人・菊池寛』のこと

8月の新刊で、志村三代子著『映画人・菊池寛』をめぐり藤原書店のPR誌「機」8月号で、編集部・構成による志村三代子さんの刊行に寄せた文に注目しました。 一九二〇〜四〇年代、「メディア・ミックス」仕掛け人として大活躍した菊池寛とは何者か? 「文壇…

ヤスミン・アフマド監督の映画『タレンタイム』

今月(9月)、マレーシア新潮のシンボル的存在で、2009年に急逝したヤスミン・アフマド監督の映画特集があった。 上映されたのは、『ラブン』(2003年)、『細い目』(2004年)、『グブラ』(2005年)、『ムフラフ 改心』(2007年)、…

青空の本

『中央公論』2013年10月号で、武田徹氏の「時評2013」の[「青空文庫」と成仏できない本]を読む。 現在公開作品は一万点を超えるまでに成長した青空文庫の今後を、生みの親である富田倫生(とみたみちお)さんが亡くなられる直前まで、TPP絡みで…

近藤富枝著『大本営発表のマイク』のこと3

今日は中秋の名月。月見団子のお供えで月を眺める。 近藤富枝著『大本営発表のマイク』を読む。 「七章 文部省時代――悪化する戦局」に、釘本久春図書監修官と高見順のエピソードがある。 私は高見順の美貌に驚き、欠席の時は小柄なかわいい夫人がわざわざ断…

月と読書

雲ひとつない晴れた秋空がつづく。乾いた風が爽(さわ)やかである。朝晩は肌寒いくらいだ。 最低気温16℃、最高気温32℃。 彼岸花が咲きだした。鮮やかな色。 夜半に十三夜の月が眺められた。十三夜から十六夜(いざよい)までの夜の月はとりわけ風情があ…

近藤富枝著『大本営発表のマイク』のこと2

新刊の近藤富枝著『大本営発表のマイク』を読む。 近藤富枝さんの九歳から二十三歳までの自伝的な回顧録です。 「一章 昭和ノスタルジー」は、日本橋の昭和六年の初午(はつうま)の思い出から始まります。 さて初午とは二月最初に行われる稲荷祭のことで、…

近藤富枝著『大本営発表のマイク』のこと

夕方、南の空に上弦の月が眺められた。 今年(2013年)は中秋の名月が19日である。 先日、日当たりの良い道端にエノコログサが群生していた。 この草の特徴として、穂が犬の尻尾にちょっと似ている。漢字で狗尾草と書く。 よく見ると穂の中に一匹のア…

TPPでゆらぐ青空文庫

朝、NHKラジオでTPPでゆらぐ青空文庫をめぐる話を聴きました。 聞き取ったところを少し書いてみます。 先日亡くなられた富田倫生(とみたみちお)さん、青空文庫の名前を付けた人。 著作権の切れた作品を電子書籍にした。 青空文庫で電子化され、いろんな人…

ドイツビールの祭典と古本交差点

6日、映画『人生のお荷物』鑑賞の後、ドイツビールの祭典、オクトーバーフェストの野外ビアホールで映画談義。 ドイツ語の乾杯の歌Ein Prositの大きな声がステージのほうから聞こえて来る。 ビートルズの曲を何曲もドイツ人のバンド四人組が演奏し歌いだす…

映画『人生のお荷物』と渋谷実

今月は、「家族の肖像 ホームドラマの軌跡」と題した作品を映像文化ライブラリーで特集している。その中の一本。 五所平之助監督の映画『人生のお荷物』(1935年、松竹キネマ、67分、白黒)を鑑賞する。 昭和10年公開の松竹蒲田制作の映画である。上…