2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

花さそふ月の嵐となりにけり

街路樹や公園の桜がいっせいに咲き出した。最高気温21℃、最低気温14℃。 晴れて穏やかだ。花見客が満開の花の下でキャンプ用の低いテーブルにガスコンロを乗せて焼肉を焼いている。 バラ科の落葉高木。エドヒガンとオオシマザクラの雑種といわれる。葉が…

小津安二郎監督の映画「出来ごころ」

小津安二郎監督の特集が1月から3月にかけて、1929(昭和4)年に公開された「学生ロマンス 若き日」から1962(昭和37)年の遺作の「秋刀魚の味」までの現存する全作品の上映会が映像文化ライブラリーで開催された。 この機会を見逃してはならぬ…

特別対談「皇后たちの祈りと神々」のこと

講談社の読書人の雑誌「本」4月号を入手した。 原武史と奥泉光の特別対談「皇后たちの祈りと神々」に注目する。 昨年の「本」2014年12月号で、原武史の連載「鉄道ひとつばなし」227で展開された一九四五(昭和二十)年七月二十七日に昭和天皇から…

「甘茶手帖」17号

晴れて桜が咲き始めた。乾燥した晴天がつづく。最高気温16℃、最低気温6℃。 先日、古本交差点に寄った時に、「甘茶手帖」17号を入手した。 ミニコミで、マツボックリ姉妹社から発行している。 平成27年3月16日発行。 本のある空間が好きという編集…

椿さき山雲蒼穹に吹き消ゆる

二十四節気のひとつ春分である。快晴で気温が19℃まで上がった。 南西の風で穏やかだ。街路樹の椿が花盛りであった。樹の周辺に点々と赤い椿の花弁(はなびら)が落ちている。 「椿さき山雲蒼穹に吹き消ゆる」 「父祖の地の苔なめらかに椿落つ」 「新墾の土…

浅草レビュー青春物語

夜、NHKラジオで、「ニッポン・ローリング・デイズ〜浅草レビュー青春物語〜後編」というラジオドラマを聴いた。 なんとエノケンの浅草レビュー時代をめぐる物語であった。 エノケン(榎本健一)を三宅裕司、座付作者の和夫役(菊谷栄の名前を使わないで和夫…

水みてし沃土の田廬梅さきぬ

紅梅も今が最盛期だ。春めいて来ている。 「水みてし沃土の田廬梅さきぬ」 昭和二十一年(1946年)の飯田蛇笏の俳句です。句集「春蘭」に収録。 雑誌「波」3月号に磯崎憲一郎へのインタビューが掲載されている。 長編小説『電車道』がどのようにして生…

雲下りて湖の嶋山きぎすなく

12日、梅が満開だ。青空に白梅の花が見ごろである。最高気温13℃。西の風が吹くが、まだ風は冷たい。 14日、南西の風が吹いて、最高気温15℃で快晴である。 「雲下りて湖の嶋山きぎすなく」 「谷川の梅日々しろく山おろし」 「はしる瀬に梅さきつづく…

山口昌男著『エノケンと菊谷栄』

新刊の山口昌男著『エノケンと菊谷栄』を読んでいます。 副題(サブタイトル)は「昭和精神史の匿れた水脈」とありますが、読んでいてその匿(かく)れた水脈が興味深い。 大正十(一九二一)年、十九歳の菊谷栄は上京して、日本大学法文学部文学科(芸術学…

菊谷栄とマック・セネットのこと

寒の戻りで、最高気温6℃、早朝から気温が下がり続ける。 陽射しがあり青空から牡丹雪がちらちらと舞い落ちる。 日が暮れると気温が1℃近くまでに下がった。 快晴の濃い青色の西の空には金星が眺められた。宵の明星である。高度は30度ほどだ。 ニュースで…

猪啖ふ夕餐の餓鬼に湯気の冬

快晴で、最高気温17℃、最低気温6℃。 青空に白梅が鮮やかだ。梅の香りが周辺に満ちている。 飯田蛇笏の句集を読むと、1937年(昭和十二年)の俳句に、「浅草風景」という前書きがあって、四句を詠んでいる。 「水洟や喜劇の灯影頬をそむ」 「浅草は地…

「わたしの五十三次 考現学的考察」のこと

6日は、二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)であった 雨水(うすい)を過ぎて日が長くなったが、まだ寒気は衰えない寒い日がつづく。 遅咲きの八重の山茶花を見つけた。紅色をした花が印象的だ。 春秋社の「春秋」2・3月号で、池内紀の「わたしの五十三次…

映画『朗かに歩め』とモダンガール

1月から始まった小津安二郎監督特集の一本、映画『朗かに歩め』(1930年、松竹蒲田、96分、白黒、無声)を観る。 出演は高田稔、川崎弘子、吉谷久雄、伊達里子、坂本武。美術・水谷浩。 “ナイフの謙”と呼ばれるやくざな青年・謙二は、タイピストのや…

ぱつぱつと紅梅老樹花さけり

久しぶりの快晴で、最高気温が13℃、最低気温4℃。風も穏やかだ。 白梅の花が見頃になっている。梅の甘い香りが周辺に漂っていた。 「ぱつぱつと紅梅老樹花さけり」 飯田蛇笏の俳句で、昭和二十二年(1947年)の句である。 老樹といえるような古い梅の…