2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『人生散歩論』のこと

街路樹のナツメに花が咲いていた。大きさは六ミリほどで黄緑色である。 新刊で池内紀著『亡き人へのレクイエム』を読み終える。 雑誌で以前読んだ追悼文も収録されていた。 西江雅之さんへの追悼文は、雑誌「ユリイカ」で読んだものだった。 巻末にブックリ…

ともどもに揚羽寸分同じきが

止っているアゲハチョウを地面に見つけ近寄ると翅(はね)をパタパタさせた。 できるだけ接近して、その行動を観察し、撮影する。 やがてアゲハチョウは翅(はね)をパタパタさせながら、ぐいと頭を上げると地面から離れ飛び去った。 アゲハチョウ科のチョウ…

大いなる五月雨傘の故里に

梅雨の走りの雨。最高気温21℃、最低気温18℃。 小雨降る公園の池に寄ると睡蓮が咲いていた。 蛙の鳴き声は聞こえない。 「大いなる五月雨傘の故里に」 「五月雨のくだつばかりに降るに戀ふ」 中村汀女の俳句で、昭和十七年(1942年)の句です。 五月…

吉村公三郎監督の映画『森の石松』

今月(5月)も「時代劇特集」がつづく。 吉村公三郎監督の映画『森の石松』(1949年、松竹・京都、97分、白黒)を鑑賞。 出演は、藤田進、轟夕起子、志村喬、朝霧鏡子、飯田蝶子、笠智衆、沢村貞子、三井弘次、河村黎吉、殿山泰司。 脚本=新藤兼人、…

パヴェウ・パブリコフスキ監督の映画『イーダ』

今月は、ポーランド映画祭が4月に引き続き開催される。 パヴェウ・パブリコフスキ監督の映画『イーダ』(2013年、80分、白黒)を観た。 1960年代初頭のポーランドを舞台に孤児として育てられた少女が自身の出生の秘密を知るために旅に出る。モノ…

松田定次監督の映画『赤穂浪士 天の巻・地の巻』

今月の「時代劇特集」からの一本。 松田定次監督の映画『赤穂浪士 天の巻・地の巻』(1956年、東映・京都、151分、カラー)である。 昭和三十一年公開作品で、脚本が新藤兼人。 市川右太衛門、片岡千恵蔵をはじめとするオールスター・キャストで、東…

睡蓮と「漂流怪人・きだみのる」

16日、雨が降った。 17日、晴れ上がり、最高気温24℃、最低気温10℃。空気が乾燥して爽やかだ。 雨上がりの公園の池には睡蓮が咲いていた。水面に青空が映されている。 嵐山光三郎の新刊で『漂流怪人・きだみのる』を読んだ。 小学館の月刊『本の窓』…

うたたねをわが許されて蜜柑咲く

快晴で気温が上がるが、吹く風は爽やかだ。道端にタンポポが咲いていた。 夕方、上弦の月が南の空高く眺められた。 月の左に明るい星が接近している。木星だ。 キク科タンポポ属の多年草の総称。野原や道端に生え、根際から羽状に深く裂けた葉を放射状に出す…

伊丹万作監督の映画『赤西蠣太』

4月に引き続き、時代劇を特集します。今月の上映作品は、東映創立5周年を記念した大作「赤穂浪士 天の巻・地の巻」、日本映画初のワイド・スクリーン作品として大型画面に先鞭をつけた「鳳城の花嫁」、時代劇の演出に才気を見せながらも28歳の若さで早世…

子とあそぶひねもす殖ゆる蓮浮葉

雨上がりの曇り空。最高気温19℃、最低気温14℃。 公園の池に、睡蓮(スイレン)が咲いていた。 浮いた葉っぱの間から花が顔をのぞかせている。 蛙の鳴き声は聞こえないので静かだ。 「子とあそぶひねもす殖ゆる蓮浮葉」 「子を守りて母うつつなき飛燕かな…

沸きし湯に切り先青き菖蒲かな

快晴。タンポポの花が綿毛になっている。 風が吹くと、綿毛のついた種は大空へ飛んでゆく。 五月五日の節句の日は菖蒲湯(しょうぶゆ)の日でした。 菖蒲湯の匂いは独特のものですね。 「わが影のはや添ふ菖蒲葺(ふ)きにけり」 「髪を結ふ白き腕や軒菖蒲」…

映画『エヴァは眠りたい』

4月に引き続き開催中のポーランド映画祭からの一本。 タデウシュ・フミェレフスキ監督の『エヴァは眠りたい』(1957年、99分、白黒、日本語字幕、デジタル・リマスター版)を観ました。 幻想とリアルを織り交ぜた、不条理でダークなユーモアとルネ・…

顔打つて新樹の風のくだけ散る

1日は、雑節の八十八夜である。 立春から数えて八十八日目。 先日、道端のクローバーに蜂が飛んでいた。 おやおや、花が一面に敷き詰められたように咲いている。 白い花から花へと、蜜蜂は飛び回るのだった。 人が近づいても刺すようなことはなかった。 「…