2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『けんかえれじい』

日活は、1912(大正元)年に創業し、100年を超える長い歴史を持つ映画会社です。太平洋戦争の時代、戦時下の統制で、いったん映画の製作を中断しますが、1954(昭和29)年に製作を再開してからは、石原裕次郎をはじめ、小林旭、赤木圭一郎、吉…

野は林檎町はあかあか晩鴉に満つ

無花果(いちじく)の収穫の季節を迎えている。 小学生の頃、隣にイチジク畑があり、畑の持ち主から頂いたものである。 余ったイチジクでジャムを作ったりした。 夏休みにはカミキリムシがイチジクの樹にいて、沢山捕まえていた。昆虫少年はカミキリムシを農…

みすず書房の新刊

来月(10月)のみすず書房の新刊で、ロジェ・グルニエの『パリはわが町』と保坂和志の『試行錯誤に漂う』に注目している。 ロジェ・グルニエの『パリはわが町』は宮下志朗訳です。 酒井忠康の『芸術の海をゆく人 回想の土方定一』も注目本。 月刊『みすず…

大都映画の面白さ4

内藤誠著『昭和映画史ノート』に、昭和十年(1935年)に大都映画に入社した俳優の水島道太郎へのインタビューで、吉村操監督の映画『地平線』(1939年)の撮影が大変だった事情が語られている。 原作・監修が大宅壮一で、満蒙国境の大平原で二週間の…

大都映画の面白さ3

内藤誠著『昭和映画史ノート』の「第2章 幻の大都映画とハヤフサヒデト伝説」に、大都映画について月光仮面の作者の川内康範のほかに、加太こうじ、うしおそうじ、浜田知章(当時は大阪の玉造に住んでいた少年)らの発言も引用されている。 うしおそうじは…

大都映画の面白さ2

内藤誠著『昭和映画史ノート』の「第2章 幻の大都映画とハヤフサヒデト伝説」の「大都映画を熱く回想する錚々たるファン」に月光仮面の作者の川内康範の発言も引用している。 川内康範(作家)・・・・・・河合=大都映画は戦時合同で大映になる十七年まで…

大都映画の面白さ

内藤誠著『昭和映画史ノート』を読む。 参照:http://www.heibonsha.co.jp/book/b163045.html 目次 第1章 「大東亜戦争」下の映画少年たち 戦時下に創設された「日本映画学校」とはどのような学校であったのか。筆者は日本映画撮影技術者養成所へ入校した生…

映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』

映画『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2014年1時間37分、ヴィスタ、カラー)を観に出かけた。 監督は、ノア・バームバック。原題は、WHILE WE'RE YOUNG。 出演は、ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライバー、アマンダ・サイフリッド…

蜻蛉行くうしろ姿の大きさよ

10日、曇り、最高気温30℃、最低気温21℃。風もなく穏やかである。 ひらひらとアオスジアゲハが舞い、地面に接地した一瞬を身近に観察できた。翅(はね)の一部が欠けている。 「月に飛び月の色なり草かげろふ」 「鏡面に薄羽かげろふ垂れとまり」 「草…

新刊案内から、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督

「図書」2016年9月号の新刊案内に、『レッドタートル ある島の物語』が掲載されている。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット原作、池澤夏樹の構成・文。 《詩情あふれるマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督初の長編アニメーションを絵本化。池澤夏…

蚊起きあがる倒れし馬の起きる様

街路樹のノグルミの果実が鈴なりになっている。 棘(とげ)を触ると堅い。見た目はハリネズミのような感じがする果実である。 「夜の木犀老(おい)の聲音はのんどより」 「秋の蠅一つ眞水の上に死す」 「蚊起きあがる倒れし馬の起きる様」 中村草田男の俳句…

「ミュージック・イン・ブック」を聴く

曇り、最高気温30℃、最低気温26℃。北寄りの風が吹く。 四国の南に台風があり、雲がスローモーションで西に移動している。 7日は、二十四節気のひとつ白露だ。白露とは葉に露を置く。 秋分の十五日前である。 夜のNHKラジオの番組で、「ミュージック・イ…

対談「にっぽん そぞろ歩き」

『望星』9月号の対談「にっぽん そぞろ歩き」は、今回は第3回で「時代を彩る、忘れえぬ音楽」と題して、池内紀さんと川本三郎さんの対談が掲載されています。 三ヵ月に一度の紙上対談ですが、3月号が第1回で、「東京の味わい方」でした。 今回の冒頭を一…

ロバート・クーヴァー著『ようこそ、映画館へ』

「一冊の本」9月号の広告で、ロバート・クーヴァー著『ようこそ、映画館へ』が、越川芳明訳で出ているのに注目しました。 『ようこそ、映画館へ』の翻訳者の越川芳明さんが、豊崎由美さんとトークショーを開催されるようです。 東京・下北沢 B&Bにて 越…