2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

やまもも

21日、NHKラジオの「ミュージック・イン・ブック」を聴きました。ゲストが長嶋有さんで、文学談話とゲストのリクエストした音楽が放送された。聞き手は松浦寿輝さん。 29日、夜、雷が伴って雨が降り始めた。梅雨が本格化してきた。 夏至のころから山桃(…

芝居小屋客ふゆる扉の開く涼し

曇り、最高気温28℃、最低気温21℃。風がゆるく吹く。 街路樹に合歓(ネム)の花が満開になっていた。 花は風に吹かれてゆらゆらと動く。 「芝居小屋客ふゆる扉の開く涼し」 「客席の暗きに風の扇黒」 「踊り子の二たび三たび梅雨窓に」 中村汀女の俳句で…

世界の8大文学賞

「世界の8大文学賞」を読む。 副題が、「受賞作から読み解く現代小説の今」。 『きっとあなたは、あの本が好き。』、『読んで、訳して、語り合う。』と同じく立東舎からの本である。 ノーベル文学賞を、都甲幸治、中村和恵、宮下遼。 芥川賞を、都甲幸治、…

かしわ餅の葉について

柏(かしわ)の葉っぱが街路樹に見られた。 説明板があり、「ドングリがなる木、葉は、柏餅を包むのに使われる。枯れた葉は、翌年まで残る。」 実はドングリになり、葉は秋に落葉せず越年するようだ。 若葉はかしわ餅(もち)に用いられるというのだが、家庭…

蜥蜴出て遊ぶを見れば常の如し

雨が降らない梅雨入りであるが、アジサイの花が色づいて来ている。ちょうど花が見ごろの時期になりました。 ガクアジサイから日本で改良された園芸品種。高さ一〜一・五メートルの落葉低木。葉は大きな楕円形。初夏、淡青色から淡紫紅色に変わる萼(がく)の…

船影がつつじの上にふとくなる

ツツジの花がひっそり咲いていた。 「船影がつつじの上にふとくなる」 「一株のつつじ隠れの船もあり」 「夏の蝶池の面に死ぬ水輪かな」 中村汀女の俳句で、昭和八年(1933年)の句です。 前書きは、「野毛山初夏 三句」とある。 昭和七年夏より中村汀女…

新聞書評欄から

11日の日曜日の新聞各紙の書評欄で、気になった本を紹介していたのは飛び抜けて毎日新聞でした。 高橋順子著「夫・車谷長吉」、松浦寿輝・選「この3冊」(カズオ・イシグロ著「わたしたちが孤児だったころ」、J・G・バラード著「太陽の帝国」、桐野夏生著…

「図書」6月号から

「図書」6月号の川崎賢子「田村泰次郎と彼女」が興味深かった。 なにより田村の回想で興味深いのは、北京の彼女の家で「軍用電話を借り」ることができた、彼女が「軍用電話を借り」て、「山西省の陽泉」の彼のもとに長距離電話をかけたという証言である。彼…

「植草甚一日記」を読む

片岡義男と小林信彦の対談本で、「星条旗と青春と」に、一九六四年創刊の「平凡パンチ」が話題になっていて、<ぼくも当時、植草さんに何回も取材したことがあるんです。植草さんの日記に残っていますよ。>という片岡さんの発言があったので、「植草甚一日…

対談「星条旗と青春と」を読む3

片岡義男と小林信彦の対談「星条旗と青春と」の「一九五〇年代 蜜月の終り」に、片岡義男の「ぼくはプレスリーが大好き」と佐藤忠男の長谷川伸論について触れている箇所がありました。 一部引用すると、 小林 (前略)それと、五〇年代というとやっぱり触れ…

『風船の使者』のこと

夜が明けるのが早く、五月の中旬の頃より日の出が五時前だ。 夏の夜は短いものだ。 公園の池を訪れた。蛙の鳴き声は聞こえては来なかった。 とても静かである。水面を見て探したが、蓮や睡蓮の葉に蛙は見つからず、がやがやと声がするのは観光客ばかりである…

溝口健二監督の映画「浪華悲歌」と関西弁

今月の映像文化ライブラリーの特集が「生誕100年山田五十鈴特集」である。 1930(昭和5)年に銀幕にデビューし、名だたる巨匠の作品に出演して日本映画を支え、舞台にテレビにと幅広く活躍した山田五十鈴(1917ー2012)。その生誕100年に…