2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『五月の読書』

ふと『五月の読書』について書きたくなった。 みすず書房の「みすず」1・2月合併号に2020年読書アンケートがあり、誰も挙げていなかった本で、高橋英夫著『五月の読書』という本です。単行本に未収録の原稿をまとめています。読後感は五月の青空のよう…

往きつ来つ目白遊べり二タ椿

最高気温14℃、日々暖かくなる。椿(ツバキ)が満開で見頃を迎えていました。赤い花、白い花とさまざまな種類のツバキの花が咲いています。つやつやした濃い緑色の葉で厚みがあります。 「又通る彼の女房や藪椿」 「目白来てゆする椿の玉雫」 「往きつ来つ…

トマス・ピンチョンの『ブリーディング・エッジ』

あちこちに梅の花が咲き出して近くを通るとほんのりと良い香りが漂って来る季節になりました。 梅につづいて、桜もぽつぽつと咲き出していました。早咲きの桜で河津桜です。青空を背にして紅色の花びらが鮮やかです。 サクラの一品種。ヒカンザクラと早咲き…

映画『スパイの妻』

寒の戻りで、年末から正月の頃の気温へ再び戻った。朝の気温が氷点下。最高気温が5℃で晴れる。雪混じりの強い風が吹くなかを映画『スパイの妻』を観に出かけた。中高年の観客が多い。黒沢清監督の映画である。 映画を観ながらエリック・ロメール監督の映画…

枇杷咲いて長き留守なる館かな

先日、ビワの花が咲いていた。ビロード状のつぼみが割れて、小さな白い花びらが密集して咲いていました。地味な花で遠くから見るとあまり目立たない。葉は大きくてつやつやしています。 バラ科の常緑高木。四国・九州の一部に自生し、高さ約一〇メートル。葉…

片岡一郎『活動写真弁史』

みすず書房の「みすず」1・2月合併号を手に取って見る。2020年読書アンケートで毎年恒例になっている。映画本で岡田秀則氏が、ケヴィン・ブラウンロウ『サイレント映画の黄金時代』(国書刊行会)を挙げていた。 そして《無声映画といえば、二〇二〇年…

写真と記憶、小説と旅

新潮社のPR誌『波』2月号の石川直樹と柴崎友香の対談「誰かにとって特別なことで、この世界はできている」を読む。 石川直樹のエッセイ集『地上に星座をつくる』と柴崎友香の33の短編からなる小説集『百年と一日』をめぐるトークイベントを採録した対談で…

いま一つ椿落ちなば立去らん

今年は2月2日が節分である。節分は立春の前の日で季節の変わり目である。豆まきをしてわざわいをはらう。まだ寒さが残るが、もう梅の花がぽつぽつと咲きだしている。花びらからほんのりと良い香りがする。 椿(ツバキ)の木に赤い花が満開で、樹下に点々と…