山浅く大瀧かかる梅花村

晴れて暖かい日がつづく。梅の花が満開になった。近寄ると花から良い香りがする。 松本たかしの昭和十七年(1942年)の俳句に、 「紅梅の残りし花に一茶亭」 前書きは、「六義園」とある。 「山浅く大瀧かかる梅花村」 「瀧川の流れ出てすぐ梅花村」 前…

長閑さにまだゐる鴨や浦戸湾

渡り鳥のヒドリガモを見かける。小さな群れで水面を滑るように移動していた。 カモ科の鳥。全長四八センチくらい。雄は頭部が赤茶色で額が黄白色、胸がぶどう色、背と側面が灰色。雌は全体に褐色。ユーラシア北部で繁殖。日本では冬鳥で、港湾・湖沼でみられ…

「映画をこまかく楽しむために」

週刊文春の1月30日号の小林信彦の「本音を申せば」第1046回、「映画をこまかく楽しむために」と題して、「椿三十郎」について書いているのだが、入江たか子について記している箇所があった。 《てっとり早くいえば、「椿三十郎」はお家騒動ものである…

サザンカ(山茶花)が満開

サザンカ(山茶花)が満開を迎えて散り始めている。 『群像』2月号のアンケート特集シネマ2019に、坪内祐三さんが回答していた。 1月の坪内祐三さんの突然の訃報に驚いた。 このアンケートに坪内祐三さんは、田中小実昌の小説を原作とした映画で、神代…

寒梅に蒔絵師の根(こん)つづくかな

晴れて暖かい。最高気温12℃。まだつぼみが多いのだが、紅梅や白梅が咲きはじめていて、花からの良い香りが漂って来る。 「寒梅に蒔絵師の根(こん)つづくかな」 「梅寒し研げば現る金蒔絵」 松本たかしの昭和十九年(1944年)の俳句で、「上村占魚に…

PR誌の本の広告から

出版社のPR誌の「一冊の本」2月号に、池澤夏樹の新刊の広告が掲載されていた。 『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』という本の広告である。 読書人必携の書評集成という。 《辣腕の書評家にして口達者な本のセールスマンが広大な読書の世界へ分け入り…

くぐり入り梅の枝垂の中に在り

梅が咲きはじめた。近くへ寄り眺めると花の香りがほのかに漂っている。良い香りだ。 梅の花へカメラを向ける人々の姿が花越しに見え隠れする。 「紅梅の下紅梅の鉢を置く」 「歩みよりくぐり入りけり枝垂梅」 「くぐり入り梅の枝垂の中に在り」 松本たかしの…

水仙や古鏡の如く花をかかぐ

暖冬がつづいている。水仙(スイセン)の花が見頃を迎えています。 ヒガンバナ科の多年草。早春に、鱗茎(りんけい) から一本の花茎を出し、白や黄色で中央に副花冠をもつ花を横向きにつける。葉は根生し、平たい線形。耐寒性で栽培に適し、観賞用とする。…

回顧の人、山田稔の原点

青空を背にしてハクモクレン(白木蓮)のつぼみが膨らんでいる。 先日、図書館で図書新聞を見た。1月11日号(3430号)である。 「トークイベント 山田稔著『門司の幼少時代』(ぽかん編集室)をめぐって」というタイトルで一面から三面まで掲載されて…

シャンパン

昨年の新刊で、池内紀著『ことば事始め』(亜紀書房)を年末から正月にかけて読んでいました。編集グループSUREの『海老坂武のかんたんフランス料理』でフランス料理や草野球チームの話が興味深かった。サルトルの『家の馬鹿息子』の翻訳裏話なども。フロー…

特集「南蛮阿房列車」から

大晦日の31日から年を越し、正月の3日まで四夜連続で、NHKのラジオ番組がありました。関口知宏の朗読で阿川弘之の鉄道紀行文を聴く。 特集「南蛮阿房列車」<全4回> 31日、「欧州畸人特急」、「マダガスカル阿房列車」。 1日、「元祖スコットランド…

生誕110年 町田康と読む太宰治

2日、午後のNHKラジオの番組で「文化講演会・セレクション」を聴いておりました。昨年の10月20日に放送された講演の再放送になります。 作家の町田康の語る太宰治を読み解く講演でした。太宰治の作品を読み解く町田康の文学談義を面白く聴きました。 参…

大幅の楷書に浮ぶ寒牡丹

ボタン(牡丹)の花が満開で見頃を迎えています。寒牡丹は白、赤、ピンク色の大輪の花で華やかです。 新年、明けましておめでとうございます。 「初富士の抱擁したる小漁村」 「ややねびし人の春著(はるぎ)の濃紫」 「大幅の楷書に浮ぶ寒牡丹」 松本たかし…

玉の如き小春日和を授かりし

サザンカ(山茶花)が冬の日ざしを浴びていました。サザンカの葉の特徴は、縁(ふち)にギザギザがあり、ツバキの葉とはその点が違いますね。 「玉の如き小春日和を授かりし」「歳時記に聞きて冬至のはかりごと」「かへりみる吾が俳諧や年の暮」 松本たかし…

塔の上の鐘動き鳴るクリスマス

冬咲きの牡丹(ボタン)が開花している。黄色、白、赤、ピンクの八重咲きで、豪華な大輪の花は見ごたえがあります。 ボタン科の落葉低木。高さ一~二メートル。葉は大きく、羽状複葉で、互生する。五月ごろ、白・紅・紫・黄色などの大形の花が咲く。花びらは…

「大林宣彦監督セレクション」から

11月に開催された広島国際映画祭2019で、「大林宣彦監督セレクション」と題して四作品が上映された。 『野のなななのか』(2014年)、『異人たちとの夏』(1988年)、『野ゆき山ゆき海べゆき』(1986年)、『あした』(1995年)。 『…

南伸坊著『私のイラストレーション史』2

サザンカ(山茶花)の花が満開である。遠くから見ると、葉に白い雪が積もったように見えた。根元は、散った花びらが白く一面に敷き詰められている。八重咲のサザンカ(山茶花)がちょうど見頃を迎えている。 亜紀書房の新刊、南伸坊著『私のイラストレーショ…

南伸坊著『私のイラストレーション史』

ハクモクレン(白木蓮)の芽が、青空の方へ伸びて、寒風に吹かれゆれている。 先日、書店のブックフェアに足を止め、亜紀書房と朝日出版社の共同フェアのブックリストの小冊子を手に取りました。南伸坊著『私のイラストレーション史』は、亜紀書房刊の本であ…

枯るるは枯れ青きは青き草小春

サザンカ(山茶花)の花が咲き、初冬の日の光を浴びている。紅い花びらが鮮やかだ。 「濃紅葉をさしはさみけり薮の家」 「崖紅葉濃ゆきにひたと御堂あり」 「黒ずみて強き紅葉や紅葉中」 「枯るるは枯れ青きは青き草小春」 松本たかしの昭和十二年(1937…

手の薔薇に蜂来れば我王の如し

公園に黄色いバラが咲いていた。風に吹かれてゆれている。立ち見の人の目がバラにそそがれている。 バラ科バラ属の低木の総称。特に、観賞用に改良された園芸品種。枝にとげがあり、蔓(つる)状となるものもある。葉は羽状複葉。萼(がく)・花びらとも五枚…

PR誌から

新潮社のPR誌「波」12月号の筒井康隆の「南蛮狭隘族」、川本三郎「荷風の昭和」第十九回・荒川放水路のほうへ、などを読んだ。 昭和六、七年ごろ荷風がよく足を運んだ場所、荒川放水路をめぐる荷風の随筆を参照しながら川本三郎さんの描く文学散歩がとても…

鴨向きをかへてかはしぬ蘆の風

水辺にカルガモの群れが見られる。ゆるやかな動きで水面を移動していた。ヒドリガモより少し大きく見える。 カモ科の鳥。全長約六〇センチ。全体に黒褐色で、くちばしの先が黄色く、雌雄同色。東アジアに分布し、日本では留鳥で、川や池沼にすみ、都市公園で…

『海老坂武のかんたんフランス料理』を読む

サザンカ(山茶花)の白い花が咲きだした。咲き始めです。 ツバキ科の常緑小高木。九州・四国の山地に自生。葉は楕円形で両端がとがる。晩秋のころ白い花をつけ、散るときは花びらがばらばらに落ちる。種子から油をとり、材で器物を作る。園芸・観賞用として…

流れゆく紅葉も見ゆれ月の淵

小春日和で暖かい。最高気温22℃。朝晩は冷え込む。最低気温9℃。 茶畑に茶の花が咲いていた。白い花びらが五枚で丸みがあり、葉につやがある。 ツバキ科の常緑低木。暖地に自生。葉は長楕円形で厚みがある。秋、白い五弁花を開く。原産地は中国の四川・雲…

映画は「寄り道」が楽しい

晴れた空の下、北風が強い。最高気温は14℃。最低気温が9℃。 オレンジ色の花が風に吹かれてゆれていた。キバナコスモス(黄花コスモス)の花で鮮やかだ。コスモスに似ている。四〇から六〇センチの高さがある。 雑誌「望星」12月号に、「平川克美責任編…

映画『ファントマ』

《映像とは動いていなければ、それでいて色と音に彩られ、起伏を生み出すものでなければならない。》レオン・ゴーモン(創業者) 「ゴーモン 珠玉のフランス映画史」から、ルイ・フイヤード監督の映画『ファントマ』を観る。連続活劇と呼ばれてサイレント映…

映画『私たちは一緒に年をとることはない』

「ゴーモン 珠玉のフランス映画史」からの一本。 モーリス・ピアラ監督の映画『私たちは一緒に年をとることはない』(1972年、フランス、イタリア、107分、カラー、Blu-ray、日本語字幕)を鑑賞。 出演、ジャン・ヤンヌ、マルレール・ジョベール。 映…

干柿の蠅またふえぬ上天気

朝晩が冷え込む。最低気温8℃。快晴で日差しが強い。最高気温21℃。乾燥した風が吹く。秋日和である。 シャリンバイ(車輪梅)の実を見つける。枝の先に密集して白い花が咲いていた。 バラ科の常緑低木。本州南西部・九州の海岸に自生。葉は長楕円形で、枝…

みうらじゅんのファンブック~松本清張~

今年生誕110周年を迎えた小説家・松本清張をめぐる「みうらじゅんのファンブック~松本清張~」というNHKラジオの番組を聴きました。 清張の小説と映画化した作品をめぐる興味深い文学・映画の談話、映画音楽も流される。松本清張へのインタヴュー、講演…

ジャック・ベッケル監督の映画『怪盗ルパン』

「ゴーモン 珠玉のフランス映画史 世界最古の映画制作会社の軌跡」 《先月に引き続き、映画史を塗り替えてきたゴーモンの歴史を辿るべく、時代を超える傑作を上映します。神出鬼没の怪盗ファントマを躍動感溢れる映像で描き出したルイ・フイヤード、オーソン…