梅を見て野を見て行きぬ草加迄

 6日は二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)で、弱い雨に寒さが戻った日だった。
 今日は北西の風がやや強く午後晴れ上がる。最高気温11℃。
 公園の白梅が満開になっていた。めじろが花から花へと移りながら蜜をついばんでいる。
 子規の句に、「梅を見て野を見て行きぬ草加」。明治二十七年の句である。

 久しぶりに金井美恵子著『夜になっても遊びつづけろ』を読んだ。
 新刊の『猫の一年』で、トラーという猫、サッカーの話題、歌手の話(マイケル・ジャクソン)などはそれほどではないが、後藤明生のタバコの話に混じって、物語派の中上健次という指摘が面白かった。
 『夜になっても遊びつづけろ』は最初のエッセイ集であるが、自伝的な文章もありとても興味深い。
 60年代から70年代にかけての時期の文学、映画、人物評なども。
猫の一年