曼珠沙華無月の客に踏れけり

 道端に彼岸花(ひがんばな)が咲いていた。群生していて色鮮やかである。



 

ヒガンバナ科多年草。土手や田の畦に生える。秋の彼岸のころ、高さ三〇センチの花茎を伸ばし、長い雄しべ・雌しべをもつ赤い六弁花を数個輪状につける。花の後、線形の葉が出て越冬する。有毒植物であるが、鱗茎(りんけい)を外用薬とする。曼珠沙華(まんじゅしゃげ)。  『大辞泉

 彼岸花の句に、「曼珠沙華無月の客に踏れけり」、前田普羅の句である。
「無月」という言葉を大辞泉で見ていると、久保田万太郎の「滑川(なめりかわ)海よりつづく無月かな」が引用されている。