ソクーロフ監督の『孤独な声』


 先日、梅雨の中休みに公園の池に寄った。糸トンボが多くいる。
 蛙がにぎやかに鳴いている。滑らかな水面にあめんぼうを見つけた。
 あめんぼうは鏡のような水面をすべるように軽快に動く。
 繰り返しによって強く印象づける句に、「あめんぼと雨とあめんぼと雨と」(藤田湘子)。
 

 26日、「アレクサンドル・ソクーロフ監督特集」が映像文化ライブラリーで始まった。
 アレクサンドル・ソクーロフ監督の『孤独な声』(1978年、旧ソ連、86分、白黒)を観る。
 出演は、アンドレ・グラドフ、タチャイナ・ゴリャチョワ。

 6月プログラムから引用すると、
 

内戦が終わり、荒廃した故郷の村に戻った兵士のニキータ。貧困にあえぎながらも幼なじみのリューバとの愛を育んでいくが・・・。死と隣り合わせの生活の中でも気高さを失わなかった人々の精神を描いた、ソクーロフ監督のデビュー作。

 タルコフスキーに高く評価されたというソクーロフ監督の第一作『孤独な声』であるが、1993年の『ロシアン・エレジー』と映像美のテイスト(味わい)が似ているなと思った。