『グランド・ブダペスト・ホテル』とフリッツ・ラング

 6日は二十四節気のひとつ芒種である。
 最高気温24℃、最低気温20℃。曇り。
 道端に、露草(ツユクサ)が咲いていた。青い花ミッキーマウスの耳のようだ。

 

ツユクサ科の一年草。道端に生え、高さ一五〜五〇センチ。葉は長卵形で、基部は鞘(さや)となって茎を囲む。夏、二つ折りの苞(ほう)に包まれた青い花をつける。花びらは三枚あるが、一枚は小さい。古くは花の汁を摺(す)り染めに使用。ぼうしばな。かまつか。あおばな。つきくさ。うつしぐさ。  『大辞泉

 雑誌「ユリイカ」2014年6月号が、ウェス・アンダーソン特集号で、「テキサスの謎 ウェス・アンダーソンのサスペンス性をめぐって」という蓮實重彦と三浦哲哉の両氏の対談がある。
 
 蓮實重彦氏が、《グランド・ブダペスト・ホテル』を観て、率直に感心しました。感嘆したといっても言いすぎではありません。》と、対談の冒頭で語っている。
 《(前略)一九三〇年代から五〇年代にかけてのハリウッド映画なら、ダグラス・サークフリッツ・ラング、あるいはエルンスト・ルビッチのようなヨーロッパからの亡命者たちが撮ってもおかしくない題材を、このウェス・アンダーソンというテキサス出身の青年が撮ってしまったことにいたく感心させられたのです。》