水辺にコサギが餌(えさ)を求めて動き回っていた。
七夕が過ぎた頃に毎年梅雨が明けるのだが、今年はまだである。
「七夕のみなひえびえと供物かな」
「月さして燠(おき)のほこほこと鮎を焼く」
飯田蛇笏の昭和六年(1931年)の俳句である。
「七夕のみなひえびえと供物かな」の句の前書きは、「白雲山廬行事」とある。
阿川弘之著『女王陛下の阿房船』を読んでいる。
「なつかしの大連航路」は、狐狸庵先生(遠藤周作)をお供にした大連への船旅である。
周作少年は小学五年まで大連で育った。阿川さんは満三つの齢「ばいかる丸」で大連港へ入ったのを最初に、戦前、幾度夏の休みを大連で過ごしたか数え切れない、という。
「ガダルカナルさよなら航海記」は、マンボウ先生(北杜夫)をお供にした探険船「フロンティア・スピリット」号でのメラネシアの島々を訪れた船旅である。
南蛮阿房航路(1976年)発表年
女王陛下の阿房船(1978年)
なつかしの大連航路(1979年)
皇家之星号(ロイヤル・ヴァイキング・スター)チャイナ・クルーズ(1987年)
鯨の処女航海(1989年)
ガダルカナルさよなら航海記(1993年)
以上の六篇のうち「ガダルカナルさよなら航海記」は単行本未収録を所収したものだ。
昨秋、山の頂上から眺めたクルーズ客船飛鳥II
- 作者: 阿川弘之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/07/01
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る