水鳥に人とどまれば夕日あり


 師走がおおむね暖冬だった。元旦からも暖かい日がつづく。

 3日、晴れる。最高気温15℃、最低気温5℃。
 白い鳥の群れが鏡のような川面(かわも)に散らばって浮かんでいた。
 渡り鳥のユリカモメのようだ。冬鳥である。
 目の後ろに黒い斑点(はんてん)が見られ、尾の先が黒い。 

カモメ科の鳥。全長約四〇センチ。くちばしと脚が赤く、冬羽は全体に白いが、夏羽では頭部が黒褐色になる。ユーラシアに分布。日本では冬鳥として各地の海岸・内湾・川などでふつうにみられる。  『大辞泉


 「汐入りの池あたたかし寒椿
 「冬木立何処よりかも礫(つぶて)かな
 「鴛鴦(おしどり)ならぬ禽(とり)は何ぞや鴛鴦の水
 「水鳥に人とどまれば夕日あり


 中村汀女の俳句で、昭和十一年(1936年)の句である。
 前書きが、「旧芝離宮恩賜庭園 」とある。