枝に残る銀杏は知らね落葉掻

イチョウの葉

 街路樹のイチョウの葉も黄葉して、散った葉で地面が明るくなっていた。
 風が吹くと黄色い葉が舞い落ちる。


 「稲雀にも夕暮や人戀し
 「烈風の日の公園の落葉掻(かき)
 「枝に残る銀杏は知らね落葉掻(かき)


 中村汀女の俳句で、昭和二十一年(1946年)の句です。
 句集「花影」に収録。人戀しの「戀し」は、新字では「恋し」です。