芝居小屋客ふゆる扉の開く涼し

ネムノキの花

 曇り、最高気温28℃、最低気温21℃。風がゆるく吹く。
 街路樹に合歓(ネム)の花が満開になっていた。
 花は風に吹かれてゆらゆらと動く。


 「芝居小屋客ふゆる扉の開く涼し」
 「客席の暗きに風の扇黒
 「踊り子の二たび三たび梅雨窓に

 中村汀女の俳句で、昭和十三年(1938年)の句です。


 「文学界」7月号の松浦寿輝の小説『二羽の鶴の怪あるいはなぜ歌仙「夕東風の巻」はたった十二句で途絶しなければならなかったのか』を読んだ。
 主人公の月岡の俳壇に対しての皮肉と悪口が痛烈だ。コメディタッチの作品。

 来月(7月)、小林信彦の『私の東京地図』が文庫になって出るようですね。

私の東京地図 (ちくま文庫)

私の東京地図 (ちくま文庫)