「白蛇伝」

 今年、2017年は日本で初めてアニメーションが作られてから100年を迎えます。(中略)戦時下に作られた秀作「くもとちゅうりっぷ」「桃太郎 海の神兵」、影絵アニメーションで海外でも高い評価を受けた大藤信郎の「くじら」「幽霊船」、日本初の長編カラー・アニメーション「白蛇伝」、クリヨウジ、木下蓮三、川本喜八郎岡本忠成らアート・アニメーションのパイオニアたちの作品、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」、そして細田守の「おおかみこどもの雨と雪」など、多彩な日本のアニメーションを振り返ります。(日本アニメーション100年 アニメーション映画特集プログラムより)

 「白蛇伝」(1958年、東映動画、1時間18分、カラー、35ミリ)を映像文化ライブラリーへ観に出かけた。
 演出・藪下泰司。声の出演・森繁久弥宮城まり子

 記念すべき日本初の長編カラー・アニメーション。主人公の若者・許仙(シュウセン)は、白いヘビの化身である白娘(パイニャン)を好きになる。白娘を退治しようとする法師との戦い、自分の身を捨てて許仙を救おうとする白娘の純愛。中国の伝説をもとにした物語をダイナミックな表現で描く。(9月プログラムより)
 作品のナレーションから登場人物や動物たちの声までを演じる森繁久弥宮城まり子の声音(こわね)が素晴らしく物語りに彩りを添えている。冒頭の切り絵の影絵アニメーションの光とその美しい色が変化してゆく映像美に目を奪われる。
 昔、白蛇を助けた少年が青年になって、ある日、白蛇の化身である美しい白娘(パイニャン)に魅せられるのだった。それを阻止しようとする法師は白娘を退治しようと主人公の若者の許仙(シュウセン)の前に立ちふさがる。
 それを見守るのが動物のパンダたちや白娘の侍女(?)の魚の化身の少女らで、彼らが脇役として、白娘(パイニヤン)と許仙(シュウセン)の恋のゆくえを見守るのだった。
 法師と白娘とがお互いの念力を使って生死を賭けて闘うシーンがダイナミックな映像の動きで目を見張る。

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