深呼吸の必要

 梅雨の中休み。晴れ間の日に買ったアシタバの苗を植え替えた。雨空が続くと晴天の日、乾いた風を待ち望む気持になる。昨年のこの頃だったか、シネツインで篠原哲雄監督の映画『深呼吸の必要』を観た。90席のシネツイン1の方で。この後すぐに、シネツイン2が新規開館したのだった。
 サトウキビ畑へ35日間の季節労働に都会から募集に応じて集まった7人のサムライならぬ7人の若者が、毎日畑へ出かけてはサトウキビを刈り続けるという物語。
 沖縄の離島、サトウキビ畑、海、青い空、風。
 サトウキビ農家に寝泊りしながら、朝から日の暮れるまで黙々とサトウキビ畑で刈って行く。単調といえば単調かもしれないが、精糖工場への納入締め切り日を目指してすべてを刈ってしまおうと刈り続ける映像。
 セリフは、「なんくるないさ」というおじいの言葉、「ありがとよ」というおばあのやさしさが耳に残る。
 長田弘の詩集に『深呼吸の必要』(晶文社)というタイトルの本がある。
 映画の『深呼吸の必要』は、元気をもらった気持になる。
 時には、深呼吸をしよう。