上弦の月と蕪村の俳句

池のカエル

 上弦の月が晴れ上がった夜空に眺められた。
 蕪村の句、「名月や神泉園の魚躍る」ではないが、川を渡るときに真南に月の右半分がかがやいていた。満月まで、あと一週間だ。
 「ニューヨーク・バーク・コレクション展」で拝観した蕪村の絵。アメリカ独立戦争の頃の作品だが、そのごろの句に「貧乏に追いつかれけり今朝の秋」がある。
 月を詠(よ)んだ句では「月天心貧しき町を通りけり」もなんとなくいい。
 
 公園の池へ寄り道してみた。蓮の葉は褐色になったのもあり、50センチほどの大きさになっていた。蓮の背丈は高いのは1メートル70センチくらいある。それらが風に吹かれてゆらゆらとゆれていた。夏の間じゅう鳴いていた蛙の声はなく静かだった。コンクリートの縁に小さい蛙が一匹いた。睡蓮はつやつやの葉で、つぼみが一つ水面へ出ていた。明日は咲くかもしれない。
 
 須賀敦子の『塩一トンの読書』、2003年(河出書房新社)と養老孟司テリー伊藤の『オバサンとサムライ』、2004年(宝島社)を古本屋ブックオフで買う。各105円。