『旅』のゆくえ

 先日、朝日で新潮社の雑誌『旅』が紙面の一面を全部使った広告を出していた。リニューアル第二弾、「旅」という女性誌、誕生。12月号の広告だ。やはり『ユリイカ』8月号の「特集・雑誌の黄金時代」で、「雑文家渡世」という対談の坪内祐三四方田犬彦の言うとおりになって来た。http://d.hatena.ne.jp/kurisu2/20050820

 わかりやすい例だと、『旅』(1924−)という雑誌の版元が、JTBから新潮社に移ったでしょう。JTBのときの『旅』は、十年一日のごとく時代からとり残されてたんですが(笑)、これが結構いい味を出していた。それが新潮社に移って、いっぺんに「いまどき」の内容になったんだけれども、どこも読むところがなくなってしまった。でも、もう元の『旅』には戻せないですよね。  40頁

 そのJTB時代の『旅』2003年8月号臨時増刊、「宮脇俊三の旅」を読む。この年がJTB時代の最後の年になる。肉声CD、宮脇俊三インタビュー67分15秒も付録についている。
 もう一冊、『旅』2003年11月号で西江雅之の対談「旅學講座」がオモシロイ。対談のお相手は志茂田景樹さんで、「子どもの感受性」と「動物になりたい」での話が興味を引く。
 そして、最終号2004年1月号で、西江雅之種村季弘の対談がJTB時代の最後を飾ることになる。