横井也有の『鶉衣』

 昼間は北からの風が強く、夕方にはやや弱くなっていた。日が暮れると南西から少し南寄りに金星が光っている。明るい。東の空には高度六〇度くらいの高さに火星が光っていた。
 笹川巌の『趣味人の日曜日』(講談社現代新書)を読む。「随筆こそ大人の読書術」で横井也有(よこいやゆう)*1『鶉衣』うずらごろも)の中の一節を引用して、「横井也有的ライフスタイル」を今日のわれわれにとっても参考になるものだろう、と紹介している。

*1:横井也有は元禄十五年(一七〇二)に尾張に生まれた。禄千石の御用人で大番頭をかねる重臣としての責務をはたすが、はやくからの隠遁のこころざしがあって、五十三歳で引退。江戸時代後期の俳人与謝蕪村とは、ほぼ同時代人。