映画少年

 夜明けのころに零度近くまで気温が下がる。午後も気温は二度が最高気温。ときどき雪が舞ったりする。雲が上空で踊り、青空で陽射しも強い。
 『新刊展望』2005年12月号の巻頭の「懐想」で、小林信彦が『「東京少年」と「冬の神話」』という文を書いている。「冬の神話」の出版までのいきさつを文字どうり懐想(回想)している。新作『東京少年』(新潮社)については、「テーマはちがうが、小説の前半は「冬の神話」に近い。暗さを少なくするように努力したが、どんなものだろうか。」と結ぶ。
 安原顯の『読書狂いもほどほどに』(双葉社)に小林信彦の『二〇〇一年映画の旅』(文藝春秋)の書評があった。その中で雑誌『宝島』一九七三年十一月号に発表された「十七歳の映画ノート 1948〜9」にあっ、と驚いた。驚いたというより納得した。ふーむ。そうだったのか。

 ただ、助演者のベストテンは、完全に私の〈現在に通じる)好みが出ているので書きそえておく。ただし、こうした見方は私だけでなく、私が友人とつくった、高校の映画研究会会員に共通のものであった。  238頁