「物くさ太郎の空想力」の休と遊

冬の睡蓮

 夕方から雪になる。夜半に外が明るいので窓を開けると雪が積もっていた。一面が雪の世界。今は止んでいるが・・・。積雪は五センチくらいだ。気温はマイナス三度に下がっている。寒気団が南下していることによる。
 多田道太郎の『物くさ太郎の空想力』1980年(角川文庫)所収の「物くさ太郎の空想力」は以下のように始まる。

 物くさ太郎といえば、怠ける方の旗頭のように思いなされているが、そんなことはない。太郎は怠けているのではない。ただ、休んでいるだけなのである。もっとも、彼は休んでばかりいるわけではないので、時には遊んでもいる。
 私は、休と遊とはかなりちがったことではないかと、かねがね思っているので、物くさ太郎の「遊ぶ」くだりは、なかなか意味深いように私には思われるのだ。  107頁