寝正月

冬のカモ

 箱根駅伝の往路をテレビで観る。箱根の山道にさしかかったあたりの中継が面白い。
 おせちは、正式の四つ重ねの重箱ではなく三段重ねに、ごちゃごちゃまぜてある。黒豆、蒲鉾、数の子。鰤(ぶり)の照り焼き、玉子焼きなど。きんとんのかわりに栗の甘煮、たけのこ、蓮根、さやえんどう、人参(にんじん)、クワイ、里芋、椎茸、ごぼう、昆布巻などの煮物。
 これらを食べていると正月らしい気分になれるのが不思議だ。
 正月にふさわしい俳句に蕪村の「まかり出(いで)たものは物ぐさ太郎月」はどうだろうか。この句については、笹川巌の『怠けの歳時記 知る遊ぶ休む』(実業之日本社)に、「怠け者にぴったりの句」として取り上げられている。

 正月は十二ヵ月の初めだから太郎月ともいう。それに狂言の太郎冠者と、物ぐさ太郎説話とをつなげた、蕪村らしい典故のある句。裏に、寝正月でのんびり過ごそうとの意が含まれている。  25頁

 夜はNHKラジオで「21世紀 日本の自画像」という番組を聴く。昨夜からの三夜連続の番組で今夜はゲストに寺島実郎残間里江子。司会は木村知義。「ニートという存在を通じて若者たちと、働くということを見つめ、これからの日本の社会のあり方を考えます」という司会者の冒頭の言葉から始まる。うーむ。興味深い話題が話されている。
 そういえば、今朝のNHKラジオでも、玄田有史がこのことを話していたね。
 残間里江子の「だめもと」という言葉が印象に残った。