月夜

 今夜は月明かりで外が明るい。月は天頂あたりに来ていた。火星がその近くに見えた。地球から遠ざかりつつある火星だが、まだ確認できる日がつづいている。天の川が月明かりでも見える。
 2月に『貸本マンガ史研究』16号が出るという。
 出久根達郎の『粋で野暮天』1998年(リブリオ出版)を読み始めた。すると、「漫画の値段」と「創業期の話」で貸本漫画の話があった。うーむ。偶然かな・・・。

 漫画が大好きで、子供の頃の私の将来の夢は、漫画家になることだった。手塚治虫に手紙を送った話は、以前書いた(『朝茶と一冊』)。
 古本屋の店員になって嬉しかったのは、私がつとめた店では貸本屋も経営していたことだった。  107頁

 出久根さんは貸し本屋で三年ほど働いたそうだが、『影』*1が毎号読者の作品募集をしていたので、「私はこれにせっせと応募した。一度も入選したことがない。名前だけ、何度か、出た。」そうだ。
 劇画が登場した時代の貴重な体験が語られている。

*1:貸本屋向けの単行本。出久根さんによると「貸本屋向けの単行本だから、書棚で探しやすいように、単純な一字書名が多い。紙が厚くて一冊の束(つか)が五センチ以上もある。」