『西鶴の感情』

 快晴で遠くの空が、春先に中国大陸からやって来る黄砂で霞んでいるかのようだった。春はもうすぐか。この冬が終わって春が来るのがいつになるのか。
 今週の朝日新聞田中泯富岡多恵子の記事(文章)に収穫あり。
 田中泯の公演のポスターをある大学の学生に頼まれて制作したことがあった。ポスターを作ったのはそれが初めてだったので、面白かった。●●身体気象とかいった名前をその学生たちは名乗っていた。たしか、そのときに田中泯の踊りを初めて観たのだった。デレク・ベイリーとミルフォード・グレイヴスと田中泯の共演による公演だった。工作舎からデレク・ベイリーの『インプロヴィゼーション』が刊行された頃の話。
 記事に〈「赤光」は他者との出会いから生まれた。斉藤茂吉の短歌、太鼓と能管の音楽で幻想的な空間を作り上げた。〉とあるが、うーん。あかあかとあかあかと・・・だったかな。茂吉の歌が蘇った。終わりが、たしか、戦いは上海におこりたりだったかな。後で調べてみよう。
 富岡多恵子の方は、大佛次郎賞を受賞された『西鶴の感情』という本についての富岡多恵子氏の言葉に、うーん、納得するところあり。「西鶴の理屈の持っていき方というのはどうしても大阪の商人的なところが出てきて、私自身、商売人の子として育ったので、西鶴を理解するのに役に立ったかと思います。」
 うーむ。目のつけどころが・・・。