自然に親しむ

白梅

 二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)が過ぎて、ずいぶん暖かくなった。しかし、三寒四温という言葉があるように、今日はもどり寒波だ。ぶるぶる。午後になってからも気温が上らず、風も強く吹いた。明日の朝は、氷点下まで気温が下がるという。
 夕方から夜にかけて東の空に月が見られた。薄い雲が月の前を速く流れて行くので、朧(おぼろ)月のようになったり、くっきりした月の輪郭になったりと変化していた。もうすぐ満月だ。
 NHK教育テレビの「新日曜美術館」で「鬼は易しいが犬は難しい〜洋画家・松田正平の世界」というタイトルの番組を観た。司会は、はなと山根基世アナウンサーのお二人。ゲストの一人に片岡鶴太郎が出ていて、松田正平の絵の魅力を語っていた。瀬戸内海の周防灘の海の絵、薔薇(バラ)の花や犬の絵に注目する。他に藤原新也が、松田正平のアトリエを写真に撮った経緯などを語っていた。ふーん。〈鬼は易しいが犬は難しい〉という意味の松田の書いた書をめぐって、洲之内徹が語る映像も見れた。その書が今は、白洲次郎白洲正子夫妻が住まわれた武相荘の玄関に飾られている。そのエピソードも紹介されていて興味深かった。晩年の笑った自画像がいいね。
 ラジオ名人寄席の落語で柳家小さんの「長者番付」を聴き逃がした。ラジオ深夜便は明石勇アナウンサーの担当日。ないとガイド「自然に親しむ」と題して、内山節氏*1の語る山村生活の話を聴いた。都会と山村を毎年行き来して、作物を植えて育てている。その移り変わりを淡々と語られていた。