ツバキの開花

ヒドリガモ

 19日、『貸本マンガ史研究』第16号が送られて来る。クロネコメール便で。本号は一年半ぶりの発行で、佐藤まさあき松本正彦永島慎二の三氏への追悼のことばが多く寄せられている。遅くなったのは編集後記によると、この3月にポプラ社から発売された『貸本マンガRETURNS』*1の制作に、かかりっきりになっていたためであるという。こちらの方は楽しく読んでもらうことを念頭において編集したものだそうだ。

 街路樹に一輪のみ咲いていたツバキの木に、花の数が増えてきた。木偏(きへん)に春と書いて椿。『大辞泉』によると、

 ツバキ科の常緑高木。本州以南に自生するが、関東以北では海岸地帯に点在し、ヤブツバキともいう。高さ三〜七メートル。葉は楕円形で厚く、つやがある。春、赤い花をつける。花びらは五枚あり下部が合着し、多数の雄しべも基部が合着している。

 近くで見ると、山茶花(さざんか)の花とは違っている。まだ、ツバキはつぼみが多い。これから咲き始める花だ。
 橋を渡っていたら渡り鳥のヒドリガモが、ゆるい流れで泳いでいた。おや、十羽ほどの群れだ。川岸の浅瀬にいるヒドリガモは、くちばしを水中へ突っ込んだりして餌(えさ)を探している。
 きのうは、海鵜が川面(かわも)に泳いでいた。水中へあっという間に潜る。なかなか浮かび上がって来ない。
 多田道太郎の『ことわざの風景』*21984年(講談社文庫)の「なまけ者の食急ぎ」を読む。

 食物のことになると急ぐのは怠け者。では怠け者にあこがれるのは働き者?

 といって、「怠け者とは、いったいどういう人種を指すのであろうか。『物くさ太郎の空想力』*3とかいう本を世に問うた今、私はふかい懐疑にとらわれている。」ふーむ。怠け者とはどういう者をいうのか、多田さんは考えをめぐらす。