ツバキの花

ツバキの花

 二十四節気の一つ春分である。彼岸の中日。朝、墓参に出かける。道中、モクレンの木に白い花が満開だった。葉はまだ出ていない。彼岸桜はといえば、まだつぼみだった。近寄って見ると、つぼみが淡紅色でふくらみ始めているようだ。開花が楽しみ。
 午後、街路樹のツバキの木に立ち止まって観察してみた。日ごとに開花している。山茶花に似ているように遠くから見ると思えるが、間近に観察すると違いが分かった。
 今見ているツバキの木は高さが六メートルくらいある。照葉樹林である。
 照葉樹林といえば、『大辞泉』を引用すると、

 常緑広葉樹のうちで、葉のクチクラ層が発達して光沢があるシイ・クスノキ・ツバキなどを優占種とする樹林。東アジアの亜熱帯から暖温帯にかけて最も広く分布。

 ふうむ。この通りに植えられている樹木は、クスノキやシイの樹が割と多いなあ。落葉樹でいえば、ザクロ、柿などが植えられている。それぞれ秋に果実がなる。ナツメの木も植えられていて、実が熟して赤くなり黒みを帯びるまでの過程を観察できるのもありがたい。イチョウ、ドングリのなるシイ。実が熟すと赤くなるグミも植えられているなあ。
 田中優子編著『江戸の意気』2003年(求龍堂*1を読む。松岡正剛田中優子の対談を読んでいたら「ハイスクールライフ」のことが出てきた。

田中 『遊』という雑誌(三九頁図版)。これは松岡さんが高校のときにつくられた「ハイスクールライフ」という新聞のときとは、ご自分では一貫しているかもしれないけど、またぜんぜん違うものに見えました。38頁

 ここに出てくる「ハイスクールライフ」は文意が、少し変かな。「高校生向けにつくられた」といったニュアンスが抜けて、話ことばを文字に直す時に、誤って「高校生のときに」と表記されたものだろう。この対談で「ハイスクールライフ」時代からの松岡さんを見てきた田中優子さんの質問と答える松岡正剛さんの話が面白い。
 MACというところから発行されていた「ハイスクールライフ」という新聞は、稲垣足穂の対談があってこれまた面白かった。新橋駅から、ほど近いところにあった編集室を、寄り道したことがあった。松岡さんがひとり居られて、稲垣足穂中村宏の対談を本にするという話をされた。銅板を表紙にして、蝶番(ちょうつがい)で閉じてという装丁の話もされたのを思い出した。これが、後に『地を匍う飛行機と飛行する蒸気機関車 機械学宣言』として仮面社より出版された。