春雨や蛙の腹はまだぬれず

ツバキの花

 午前は曇っていたが、午後から雨になる。しとしとと静かに降る雨である。春雨じゃ濡れて行こう。『蕪村遺稿』に、

 春雨や蛙(かわづ)の腹はまだぬれず
 春雨や珠数(じゅず)落したるにはたず(づ)み*1 
 春雨や鶴の七日をふりくらす*2

 『芸術新潮』2006年1月号は創刊55周年記念・大特集「フィレンツェの秘密」。森田義之氏の解説を読みながら、「これだけは見て欲しいと思う絵画や彫刻や建築をピックアップしてみました。55点。」うーむ。写真が見ごたえがあるなぁ。
 その他に、川本三郎の連載『言葉のなかに風景が立ち上がる』で、第12回の〈そして人生は続くー古山高麗雄『湯タンポにビールを入れて』〉を読んだ。

*1:にはたずみ。脚注に、急雨のため庭にたまり流れる水とある。

*2:鶴の七日。脚注に、「(鶴)一所に七日づつ遊びて立つといへり」(呑吐)『芭蕉句解』)。