小林秀雄の講演テープ

ソメイヨシノ

 昨日から降り続いていた雨が、正午前には小降りになり一時止んだ。その後、降ったり止んだりを繰り返して夕方には雨も止んでいた。その後も風は強く吹いた。南よりの風で気温は高めであった。
 街路樹のソメイヨシノのそばを通り過ぎる時に、桜吹雪に巻き込まれた。ソメイヨシノの木の周りは、淡紅色や白色の花で降り積もっている。花びらが敷き詰められたようになっているところがあった。
 新潮カセット文庫で、『小林秀雄講演』〈文学の雑感〉(新潮社)*1と『小林秀雄講演』〈本居宣長〉(新潮社)*2を聴く。聞いていると落語家の話を聴いているような趣さえあって、ぐんぐん引き込まれた。以前に聴いたときは三遊亭円生を連想したほどだったのだが、今回はそれほどでもなかった。
 本居宣長の「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」から講義が始まる。ちょうどこの頃、『本居宣長』を書かれていた時期にあたるので、そのためか宣長の学問論の話が興味深い。第二に歴史は調べるだけではなく、上手に思い出すことだという話も面白い。天皇についての感想も印象的だった。講演を聴いた学生との質疑応答が、笑いを誘う回答があったりして何度も笑った。うーむ。小林秀雄の声は、なぜか落語家の話っぷりに似ているなぁ。