茂木健一郎の『ひらめき脳』

アオサギ

 なかなか暮れない宵の空。その時刻が遅くなっている。もうすぐ夏至だからかな。
 竹の篊(ひび)が立ち並ぶ川面(かわも)に、きれいな羽の鳥がいた。アオサギらしい。夏の羽なのだろうか。頭部の冠羽が黒っぽく見える。
 リンク元に「いける本・いけない本」で検索が急に増えている。おやっ、なぜだろう? と思っていたが、朝日新聞の書評欄を読んでいると、その訳が分かった。何があったかといえば、〈身銭をきる読者に役に立つ書評とは〉というタイトルで「情報フォルダー」に、書評誌「いける本・いけない本」(ムダの会発行)の第4号が出たという記事があったのだ。ふーむ。なるほどね。新聞を読んだ人が検索したんだろう。
 読書欄の「著者に会いたい」は、〈コンピューターを越えろ〉という題で茂木健一郎さんの『ひらめき脳』(新潮新書)をめぐっての聞き書きである。

 考えることが好きだ。数年来、小林秀雄に傾倒し、共感しているが、愛読する著書『本居宣長』を引用しつつ、「宣長の弟子たちの多くは、大人の遊びを一通り経験してきた有力商人たち。その彼らが〝学問ほど楽しいものはない〟と言っている。学問って、すごく上質な快楽なんですよ。」

 ここでも、小林秀雄の講演テープで語られていた〈学問ほど楽しいものはない。〉という話に触れられている。
 耳学問という言葉があるけれど、〈話し言葉小林秀雄〉は面白い。その小林秀雄の講演テープを聴いていると、長谷川泰子のことを語っているんだろうなと思える箇所があったり、中原中也に関心のある人には参考になるかもしれない。そのほか、可笑しくて笑ってしまういろいろ興味深い話のある講演テープである。