今西錦司の『自然学の提唱』

クワの葉

 七夕(たなばた)だが、夜は曇って天の川は見られず。うーん、七夕の時に星空を眺められたことが、随分ないような気がする。先日の上弦の月の頃、午後八時過ぎに、南中している木星のすぐ左下に上弦の月が眺められた。それも、雲間に見えたという状態だった。二十四節気で、小暑。〈七月七日ごろ。このころから暑気が強くなる。〉『大辞泉
 街路樹のクワの木の葉が大きくなっていた。垂れ下がっている枝に付いている葉を手にとって眺めてみる。大きいのは、マウスパッドにちょうどいい大きさだ。形は卵形で先がとがっている。
 高さは一〇メートルを超える。大木だ。根元の幹周りも太いね。
 今西錦司の『自然学の提唱』*1講談社)を久しぶりに開く。いしいしんじの〈今西錦司の「見てみい」〉というタイトルの文を読んだので、さっそく読み直しをしたくなったのだ。一九八四年の出版の本。この随筆集が九冊目になるらしいが、わたしの印象では、この『自然学の提唱』という本は、今西錦司の世界を知るにはとてもいいと思う。「小林さんと私」という文があって、小林秀雄今西錦司は同年齢の方だったんだなあ、という発見があった。
 『波』2006年7月号での木田元の連載、「反哲学入門」が面白い。第二回だが、自伝的なところもあり、その「哲学」へのアプローチがなかなかユニークな見解で語られている。