長新太の線

ナツメの実

 街路樹のナツメの木に実が生(な)っている。まだ黄緑色である。ナツメの木の幹のそばから仰向いて眺めれば、長い枝のあちこちに実が鈴なりだ。
 『芸術新潮』2006年7月号で、「みんな大好き長新太」に目を通す。記事に、

自分のスタイルについて、彼自身はかなり早い時期にこんなふうに書いている。
「サーバーから僕ははかり*1強く影響を受けた。途中フランソワ、ペイネにも興味をもった。いままたサーバーに帰ろうとしている。線は直線、曲線と移り、それがくずれはじめ僕の線が生れた。線は無意識のうちに変り、僕はその線を大切にした。(中略)いまもう一度脱皮しようとしている。単純でムダのない線、世界に」(「美術手帖」1964年10月号より)

 フランソワは、アンドレ・フランソワのことだろう。サーバーはジェイムズ・サーバー

*1:はかり、この部分は「かなり」の誤植かな。