欲望する脳と納豆

アブラゼミ

 夜が明けると、蝉が鳴き始める。やや静かな音量である。 
 正午ごろに入道雲が遠くの空に眺められた。雲のかたちが鉄床(かなとこ)雲になっているのもあった。夕方、にわか雨あり。じきに止む。雷も遠くに聞こえた。
 街路樹のプラタナスアブラゼミが鳴いていたが、幹に斜めに止まっているのは、鳴いていなかった。静かにプラタナスの樹皮にいた。
 昨日、書店で「新刊展望」9月号と「本の窓」9・10月号を。今日は「青春と読書」2006年9月号をもらう。表紙絵は、落田洋子さんのエッチングでタイトルは「9月に羊になりたい」。
 「青春と読書」で茂木健一郎の連載〈「欲望する脳」⑰不可能を志向すること〉を読んだ。

一リットルの脳の中の神経細胞の活動に永遠に閉じこめられている私たちが、広大な世界と渡り合うために生み出された不思議な意識の働きとしての「志向性」に思い切り寄り添ってみたい。  48頁

 うーん。〈現代の脳科学の知見を背景としつつ、人間の欲望のあり方をその本質において考察しようと試みる〉茂木さんの話は興味深い。引用例が分かりやすいなあ。
 黄金の濡れ落ち葉講座の一冊、小泉武夫の『納豆の快楽』(講談社)を読む。うーむ。「納豆は発酵食品の王様だ」に納得する。