日英交換船のこと

黒田敬子展

 午後、袋町芸術館で「黒田敬子展」を観る。黒田さんの愉しいお話を聞き、会場の作品を味わう。
 書店で『図書』2006年9月号をもらう。
 『図書』で鶴見俊輔の「翻訳のすきま」という文を読んだ。ここでも、鶴見さんにとっての「日米交換船」というものがもたらしたことに触れている。

英語の中で暮らしたころからすでに六十年あまりがすぎ、私の英語体験は、ぼけてきている。にもかかわらず、日本語への参入は、キセル乗車で、若い年月の不使用の影響は、未だに消しがたい。
 もうろくする中で、私の日本語も、私の英語も、ともにもうろくして、新しく出会う時があるかとも思うが、今のところまだその機会はない。  47頁

 同じ紙面に辻井喬の連載が、交換船それも「日英交換船」を作品の中で書いているのでおやっと思った。鶴見俊輔加藤典洋黒川創の『日米交換船』*1(新潮社)というタイトルにならって言えば、『日英交換船』という本も読みたいなあ。
 日英交換船で龍田丸、鎌倉丸に乗った人々のこと、帰国後のことなど。