満天の星

 二十三日は秋分の日であった。秋の彼岸の中日にあたる。日の出と日の入りが、真東と真西になり昼夜の長さが等しくなる。
 昨夜の夜半に、月が出ていないので満天の星や天の川が眺められた。地上では虫の鳴き声がリーンリーンと聞こえて来るのだった。『蕪村句集』に、

  丸山氏が黒き犬を画(ゑがき)たるに讃せよと望み
おのが身の闇より吼(ほえ)て夜半(やは)の秋

 久しぶりに公園の池へ寄り道。イチョウの木に銀杏が鈴なりに生っていた。カエルの姿も見えず静かなものである。ハスは葉がまだ枯れてはいないで、風に吹かれて揺れていた。
 書店で講談社のPR誌『本』と『新刊ニュース』2006年10月号をもらう。
 岩瀬彰の〈「戦前」と「いま」はつながっている〉を読む。うーむ。『「月給百円」サラリーマン』の著者。他に中西繁の「ゴッホの暮らした部屋で」が興味を引いた。それと堀井憲一郎の連載「落語の向こうのニッポン」が面白い。