身もだえする巨木〜狩野山雪

柿

 公園のベンチで飲み物を飲んで休んでいる時、梅の木がそばに植えられているのだった。樹齢六十年は下らないだろう。老梅というほどではない。いや、もう老梅かな。枝がクネクネ曲がっている。その枝のシルエットの形が不思議で面白い。
 夜、NHK教育テレビの「知るを楽しむ」から〈この人この世界〜辻惟雄〉の「ギョッとする江戸の絵画」の第二回を観た。「身もだえする巨木〜狩野山雪」と題して辻惟雄(つじのぶお)さんの話を聴いた。
 狩野山雪の「老梅図」のS字を横に倒したような曲がりくねった梅が登場していたが、公園で見た梅を思い出したりした。梅の枝は確かに曲がりくねった生え方をしている。この「老梅図」を見せながら、狩野山雪の人物像にふれて、〈奇矯というか不思議な個性がはっきりする〉と語られていた。うーむ。しばらく、この番組から眼が離せないなあ。
 狩野山雪は晩年に投獄されている。なぜ、投獄されたのか。謎がある人らしい。「山雪公密文」という山雪の手紙が残されている。
 次回は、白隠で、〈「自己流」の迫力〉と題して放送される。