絵本を旅する

ダルメシアン

 昨日、通りで犬を散歩させている人が立ち話をしていた。通り過ぎる時に、その犬が近寄って来た。白い地に黒いまだらに散った点のある犬である。手を犬へ近づけると鼻を寄せて来る。ポインターに似ているようなので、犬の種類を尋ねると、ダルメシアンだという。
 あとで調べると、旧ユーゴスラビアの、現在のクロアチア西部でアドリア海沿岸地方ダルマチア(Dalmatia)の原産の犬のようだ。
 今夜、空は晴れ上がっていた。雲ひとつない夜半に天の川がよく見えた。天の川が天頂付近へさしかかったところに、五つの星がW形に並んでいる。カシオペヤ座だ。
 バートランド・ラッセルの『怠惰への讃歌』(角川文庫)の〈「無用」の知識〉を思い起こす。
NHK教育テレビETV特集椎名誠の絵本を旅する」という番組を観た。途中から、山下洋輔との対談のあたりから聞く。長新太の絵本をめぐってやその他。茂木健一郎との焚き火を囲んでの対談もあり、ポツリポツリ語られる話が、うんうんと、うなずくところあり。

子供にとって絵本を読むことも、見聞かされることも、冒険ですからね。

 子供にとって絵本を身近な人から伝えられること。声ってその人の人格を運んで来るし、焚き火を一緒に見ているように、同じものを一緒にみている安心感、そういったことが語られていた。誰かが、安全基地になってくれているから、子供は安心して絵本を見ていられると。