ギョッとする江戸の絵画〜白隠

萬歳楽

 夜、NHK教育テレビの「知るを楽しむ」で、〈この人この世界―辻惟雄〉から「ギョッとする江戸の絵画」の第三回、〈「自己流」の迫力〜白隠〉という番組を観た。
 辻惟雄(つじのぶお)さんが、白隠の描いた達磨図や自画像を話しているのだが、その見方が面白い。たとえば、白隠の自画像を評して、「刮(かつ)目相・・・ちょうど岡本太郎みたいな目つき」とか、白隠は「自分はあんまり偉いなと思って描いてない」と読み取っている。そのへんの機微を見事に話されていた。
 他に、釈迦を描いた絵を「悟る直前でありながら、生身の身をもてあましている苦悩に満ちた顔つき」と語っていて、思わず、唸る名調子である。
 白隠といえば、白幽仙人から教えられた内観の秘法とか、仏教医学の呼吸法を説いたことでも知られているが、絵画を通して白隠という人のすごさを知った。